【薪ストーブの焚き心地】ノルン(soapstone+oven):揺らめく炎が魅力の鋼板製ストーブ

スウィートグラスのコテージ・キャビンは全棟薪ストーブ完備。その数なんと12種類!!

それぞれの異なる魅力を【薪ストーブの焚き心地】として、少しずつ紹介していきます。

第2弾は2021年春に仲間入りした「ノルン(soapstone +oven)」です。

キャンプ場スタッフつぐつぐがレポートします(2019年に薪ストーブ付きの家に引っ越し、火のある暮らし3期目を迎えました)。

我が家のストーブ「morso2110」は鋳物-いもの-ストーブ。対して今回のノルンは鋼板-こうはん-。我が家のストーブとは扱い方が全然違いました(「犬だと思って飼い始めたら実はネコだった」くらいの衝撃!)。

※2022年3月10日に公開した記事を再編集しました

焚き心地とは?

ひとことに薪ストーブと言えど、実際に焚いてみないとわからないことが多い。この【薪ストーブの焚き心地】では、スタッフが実際に焚いてみて気づいたことをまとめています。

▼ あさまストーブの焚き心地を参考にしました

それぞれの良さを検証できるように、実際に焚いて8個の項目を調べました。

  1. 立ち上がりの早さ

  2. 薪の入れやすさ

  3. 火力調節の方法

  4. 炎の見え方

  5. 火の持ちやすさ

  6. 薪の消費量

  7. 部屋に対しての暖房能力

  8. 調理機能

焚き方に「これが正解!」というのはありません。また、ここで出てくる「時間」や「温度」は使用する薪、燃やし方によって変化します。あくまで一例として参考にしてください。

ノルン(soapstone +oven)

デンマークの「HETA-ヒタ-」が製造、ヒタのコンセプトは「暮らしにちょうどいいストーブ」。オーブンや蓄熱するストーンなど、その人の生活に合わせた+αの選択肢が豊富です。

ノルン(soapstone +oven)は、さっと点いて長持ち・気軽にオーブンとして使える・目線の高さに美しい炎が見える…などなど一緒に暮らす家族みんなの望みを一遍に叶えてくれるオールラウンダーなストーブです。

▼ 詳しくはこちら

外観&大きさ

幅570*奥行き498*高さ1210mm
公式には「最大薪長さ40cm」とありますが、炉内幅は33cm。横置きできる30cmが使いやすい長さです。縦長でスタイリッシュ、大きなガラスが特徴的。鋼板製の本体を包むように蓄熱するソープストーンが付いています。

▲ 写真のケトルは常設ではありません。冬季のみ無料貸し出し(色はブラウン)

鋼板製ストーブ

一般的に薪ストーブ本体の材質は、大きく分けて2種類「鋳物-いもの-」と「鋼板-こうはん-」。それぞれの特徴は…

鋳物製:ずっしり重厚感、温まるのに時間がかかる、蓄熱に優れている
鋼板製:スタイリッシュ、温まりやすく冷めやすい、気密性が高い

現在、キャンプ場にある薪ストーブのうち、鋼板製ストーブは今回の「ノルン」とグルマンに設置の「アンビション」のみ。冒頭で説明したとおり「犬だと思って飼い始めたら実はネコだった」くらい扱いが違ったので、ポイントを押さえて正しく接してくださいね。

操作方法&焚き付け手順

結論から言うと、着火が早くてオドロキ!!あとで調べたら、鋼板製のストーブは本体が早くあたたまるためスムーズな着火が特徴らしい。

焚きつけ・立ち上がり

今回使った薪は、冬季の薪ストーブ用の薪(長持ちするように太め)。サイズ感はこちら>>焚きつけ用細薪(3*3)・中薪(一辺が7以下)・太薪(7*7)※太さは大体の目安(cm)

中薪と太薪は分けられていません。薪ストーブ用の薪から細めのもの(中薪)を5本ほど選んで分けておくとスムーズです。

 

★【火をつける前に】キッチンの換気扇が消えていることを確認(お料理で換気扇を回す場合、窓を開けて空気の入り口をつくってください)

空気調整レバー(右背面)が最大(全)になっているのを確認
▼ 上が開、下におろすと徐々に空気がしぼられる

下部のカバーを開け、灰受BOXがきちんと密閉されているか確認(隙間があると過剰燃焼して危険)。

焚きつけ専用レバーを引き、炉内の灰を落とします

土台に中薪を2本置きます。

着火剤に火をつけ天井をあぶります(あたたかい空気が上に昇る習性を利用し空気の流れをつくる)

▲ 炎が煙突方向へ吸い込まれるようになったら空気の流れができています

真ん中に着火剤を置いて、炎を取り囲むように細薪×4+中薪×2本を井型に置きます。

フロントドアを半開きにして様子を見ます。

着火5分で細薪と中薪にも火が入り始め、10分で薪全体に炎が回りました。

半開きだったフロントドアをめます
▼ ドアを閉めると炎の雰囲気がガラッと変わりました

着火から15分、炎の勢いが増し、うねり始めたので、焚きつけ専用レバーを閉めます

着火から22分、一部が熾火になりそう…ストーブから1m離れた場所でもじんわり暖かさが伝わるようになりました。焚き付けは完了!!

★着火が非常にスムーズな分、フロントドアと焚き付け専用レバーを閉めるまではストーブから目を離さないでください。フロントドアを開けたままだと火力が大きくなりすぎ危険!!フロントドアが開いているときは、常に炎の様子を目視できるよう気を抜かないようにご注意を。

鋳物ストーブはフロントドア半開きで30分以上給気することがあります。慣れてしまうと給気中に目を離して他の作業(食器洗いとか)をしがちですが、鋼板製ストーブは火が大きくなりすぎるので早めにフロントドアを閉めましょう

▼ ストーンがすすけている…多くの人が接し方を間違えているのかも。火力が強いときにフロントドアを開けると炎が外に飛び出るおそれがあります。ご注意を!!

巡行運転(薪を追加する)

薪全体に炎がまわるようになったら…空気調整レバーを動かし、炎の勢いを下げてゆっくり燃やします

★絞り具合は炎の様子を見ながら調整、炎が消えてしまうと温度が下がります。一部でもちょろちょろ炎が出る状態を維持してください。

①炎が落ち着いてきたら、火ばさみで薪を崩す

②空いたスペースに新しい薪を足し、フロントドアを閉める

③炉内全域に炎が回るようになったら、空気をしぼる

①~③を繰り返し。形が残っている薪が常に1・2本あるように薪を足すと継続して燃えてくれます。

 注意点① 】ノルンの空気調整レバーは、少しの変化で炎の様子がガラリと変わり、閉めきると火が消えてしまいます。 慣れていない人は、めても半分までに調整してください。

 

【 注意点② 薪を入れすぎると火力が上がりすぎ、危険です。熾火がある状態で足す薪の量は2kg以内に納めてください。

▼ 広葉樹30cm(約7*7cm)で約1kgほど。太めの薪を足すのは2本までと覚えておこう。

バックパフィング現象

気密性の高い鋼板製ストーブは、空気調整レバーの細かな動きが忠実に炎に現れます。空気をしぼりすぎると炎が消え、密閉空間に未燃焼ガスが充満します。そこに、(空気調整レバーを全開にする・フロントドアを開けるなど)急に新鮮な空気が入り込むと未燃焼ガスが一気に燃え上がり、爆発を起こします(バックパフィング現象=火事現場の「バックドラフト」と同じような原理)。

▼ 大変危険です!マネしないで!! ▼

フロンドドアを開けたときに爆発すると危険です。

  1. 急な空気調整をしない(薪を入れてすぐ空気を全閉にするなど)
  2. フロントドアを開ける前に炉内の状態を確認
  3. 炎が消えていた場合、空気調整レバーをゆっくり上げてからフロントドアを開ける

正しく扱っていれば滅多に起きない現象です。夕方にはスタッフが1件ずつ各施設へお声かけしていますので、心配事があればいつでも質問してくださいね。

薪の入れやすさ

片手開きでアンダイアンまでの深さもあり、安心して薪を入れられます。

炉内に横置きできる30cm薪が最適です(アンダイアンを超えて転がらない高さに薪を組んでください)。40cmを使う場合は斜めに立て掛けます(2次燃焼空気吹き出し口より低くなるように立て掛ける)。

▼ 勢いよくフロントドアを開けないようにご注意を!

心配事があれば気軽にスタッフまでお声かけくださいね。

魅力&特徴

多少雑に扱ってもタフな鋳物製ストーブにくらべ、繊細な部分がある鋼板製ストーブ。取り扱いを間違えると危険な部分もありますが、正しく扱えば魅力にあふれています。

縦に長い炉内と大きなガラスは、炎の揺らめきをより際立てます。

天井を目指して伸びる炎はまるでいきもの。

元気よく渦巻くこともあれば、

しっとりオーロラになることも。

空気調整レバーで微妙な変化を楽しめるので、いろいろ試してみてくださいね。

調理

【 オーブン 】

ストーブの上に独立したオーブンがついています。ススや灰を気にすることなく、家庭のオーブンやトースターと近い感覚で使用可能

公式サイトには「35~40分で180℃」とありましたが、今回は180℃まで着火から1時間かかりました(その10分後に200℃に達した)。

巡行運転(空気をしぼり、ゆっくり燃やす)だと、徐々に温度が下がった(180℃>>>40分後150℃)ので、200℃前後で使用するには元気よく薪を燃やす必要がありそうです。

▼ 200℃で15分弱でピザが焼けました。奥の方が温度が高いので途中で向きを変えるとムラなく焼けます(無料備品のピザグリルパン(小)を使用)

ファイヤーサイドさんで米を炊いている様子が載っていたのでチャレンジ。若干失敗しました…米焚きも奥が深い…。

▼ 私物のストウブ ココットを使用(レンタルだとダッチオーブン8インチでもできそう)

お掃除が大変なので、吹きこぼれや脂がたれるような調理ではアルミホイルやクッキングシートを敷いてくださいね。

※グリル(網)は付属していますが、天板は付いていません。

【 炉内 】

炉床の面積が小さいので、炉内調理をするのならしっかりと熾火にして崩してから。

ピザは3分で焼けました。炉内の方がカリッと焼ける印象

ガンガン焚く冬期はオーブン調理、ちょろっとしか焚かない春や秋は炉内で。もしくは、元気よく燃えているのか、熾火になりそうなのか、火の状態を見てオーブンと炉内の使い分けができそうです。

【 トップ 】

沸騰までしませんが、湯気が出るくらいにはなります。
温泉卵や鶏ハムなどの低温調理ができるそうです。

部屋との兼ね合い

ノルンがある「ヨッホー」は、デッキとテントが張れる庭、室内は1ルームにキッチンとお風呂・トイレがついた少人数向けのコテージ。

ストーブを焚いたのは、2月1日9~20時の間。焚き始めの朝9時で-4℃、昼5℃、18時0℃、天気のいい日でした。

▼ 窓の外にはイチイの木。木の実を食べにヒヨドリがすぐそこに。

普通に焚いたつもりが、Tシャツ1枚でも暑いくらいになりました(窓を開けて中和しましたが、室温26℃まで上がった)。

ノルンは蓄熱するストーンがついているので、火が消えても暖かさが長持ちします。ガラスが大きい分、輻射熱もたくさん出ます。炎が元気なときは正面に居ると暑い。

焚き付けが終わり巡航運転にうつったら、薪の投入ペースを減らすと温度の上がりすぎを抑えられそう(薪がポロポロに崩れて炎が消え、熾火が減るまで追加の薪を我慢する)。

通常、火が長持ちするように寝る前にたくさん薪をくべますが、就寝時に部屋が充分暖かい場合、ノルンは無理に薪を足さず通常の巡航運転でも十分な気がしました

まとめ:炎が美しいオールラウンダーなストーブ

ノルンは炎が美しく、着火も早いし暖かさが持続するストーブでした。ただ、接し方を間違えると機嫌を損ねてしまうので危険なポイントを押さえて使ってくださいね。

炎の揺らぎも、できる料理も、こちらの工夫次第で無限大に広がります。なんども試行錯誤をして自分に合ったスタイルを探してみてくださいね。


ノルン(soapstone+oven)
・最大薪40cm・最大熱出力7740kcal/h・暖房面積120m2・燃焼方式:輻射


施設情報
キャンプコテージヨッホー2021年4月29日オープン

キャンプ場北軽井沢スウィートグラス

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