伐採木を活かしたい…
「ナラの兄弟木活用 プロジェクト」完結!
新小学生を迎える 木の教室札
きたもっくの地元、群馬県長野原町と結んだ包括連携協定。
そのファースト・ミッションが、町内の小中学校統合にともない伐採したナラの活用である。
樹齢70年を越える巨木の生命力あふれる木目を活かし、新しい中学の校歌板を制作したのが昨年。
そして今春、同じ伐採木を使った教室札が新「浅間小学校」に設置された。
40点もの絵柄をすべて描きおろし、木の質感を壊さないようUV印刷で仕上げた。
ナラ特有の虎斑(とらふ)模様が浮き上がり、一枚一枚異なる表情が楽しめる。
学年札は、数字にちなんだ地域の木を集め、丁寧に接ぎ合わせ板にした。
1年生はイチイ、5年生はゴヨウマツ…など9種の木で「なんの木本棚」も制作。
手にとって重さや温度の違いを感じたり、生えていた場所や特徴なども知ることができる。
新小学校は、旧中学校の校舎を利用しているため、ピッカピカの教室…ではないかもしれない。
けれど世界でひとつの教室札が学び舎を彩り、子どもたちをあたたかく迎えてくれるだろう。
兄弟木をみんなで分かちあう
一生ものの鉛筆たて
浅間小学校の開校記念品は何がいいだろう?
70年もの間地元の子どもたちを見守ってきた兄弟木を、みんなで分かちあえるもの。
小学生はもちろん、大人になっても使えるものがいい。
考えた末、シンプルな鉛筆たてを提案した。
割れを防ぐためしっかり接ぎ合わせた無垢材を、手作業で加工。
比重の大きいナラは、堅くて穴を開けるのも一苦労だ。
さらに兄弟木のシルエットを焼印にして、一つ一つ押し当てた。
木目の詰まったナラは、木材のなかでも一級品。
年を経るにつれ美しい飴色に変わるため、世代を超えて永く楽しめる。
木の命は伐られて終わりではない─そのことをじっくり感じてもらえたら嬉しい。