最高の焚き火は木を植えるところから始まる
やまもりキャンプ植林プロジェクト(1)

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今年、きたもっくでは約3,000本の広葉樹苗を植林します。やるなら楽しめる工夫をしつつ、やってみたかったことにもチャレンジする機会にしたい!去年の秋から少しずつ始まったプロジェクト「どんぐりラボ」について、数回にわたりレポートします。(書き手:玉井)

植林という言葉で僕が感じたのは、生産について知るいい機会だということ。(日々、薪ストーブや焚き火で薪をありがたく燃すばかりで、なんだかバランスが取れていないように感じていました)必要な量の野菜を育てて食べる。DIYで作った棚にお気に入りの道具を並べる。自分で巻いた毛鉤で鱒を釣る。一方向ではない関わりが持てた分だけ、随分と気持ちの良いものになっていく気がする。無理のない生産と丁寧な消費。最高の焚き火って木を植えるところから始まるのではないか。植林活動をみんなで楽しく行う。準備も苗をただ買ってきて植えるだけじゃなく、僕たちらしい工夫をして楽しんでやる…

連載形式の読み物として、準備から、植林、その後の経過観察までのおよそ1年間にわたる活動をフィールドワーク中心にお届けする予定です。

第一回の今回は改めて経緯、目的などをお伝えします。

なぜ木を植えるのか

カラマツ林の皆伐(あさまのぶんぶん)

なぜ3,000本の植林をするのか…それは、2022年夏に自社保有の二度上山(240 ha)にある唐松林1ha(1ha=100m✕100m)を皆伐したことがきっかけです(皆伐…全て伐採すること)。

この唐松林はちょうど伐期を迎えていた中で、ウッドショックによる木材の需要の高まりもあり皆伐の判断をしたとのこと。保安林に指定されている唐松林を皆伐した場合、2年以内の植林義務が生じます(一部を伐採する間伐では植林義務は生じないらしい)。

植林する数は、今回は1haなので3,000本(さらっと書いたが間違いなく3,000本です)。全くの専門外なので、すごい本数だなあと思いましたが、計算してみると大体1.8m間隔で植えると1haで3,000本。そこからの自然淘汰で減るであろうことを想像しても少し多いような印象を受けましたが、群馬県は鹿による影響もあるのかなと感じました(地域によって定められている本数は異なるようで、2,000本のところもあれば4,000本のところもあるようです)。

どのくらいの自然淘汰が起きるのかなと思いつつ(今後お伝え予定)、このような経緯から2024年夏までに3,000本の植林をする必要が出てきました(ちなみに今回は広葉樹を植林するので、針葉樹カラマツ林が広葉樹林となり、今後は萌芽更新による天然更新のエリアとなる予定です)。

手の届く身近な循環の形とは

僕らは数年前から、身の回りにある資源を見つめ直す参画型の取り組みを「循環プロジェクト」と称し、節水自然エネルギーの活用、ゴミの削減などを推めていました。植林案件もこの循環プロジェクトの一環で何かやれないかと相談されたのだとぼんやりと記憶しています。

循環プロジェクトの肝は、まず自分のためになること。次に身近な人のためになることを小さなアクションで続けていくこと。世界(範囲)を小さくして、近いところから広げていくことが大切だと思っています。世界のためにって考えると、大きすぎて自分がアクションする価値を感じにくくなると思います。参画型にしたのは、こういう活動ってちりも積もれば山となるものが多いからです。アサマヒュッテの薪ストーブ

僕にとって一番身近な木は薪であり、焚き火や薪ストーブでコミュニケーションをとったり、暖をとったり、料理に使っています。自分にとって薪の元である木に対して見つめ直すと、無理のない生産と丁寧な消費を改めて意識しアクションするのが良いように思いました。

身の回りにある資源を見つめ直し、無理のない生産を大切にした植林ってどうするのが良いのか、フィールドワークをしながら考えることにしました。

消費と生産のバランス

今回は生産にスポットを当てて取り組みを進めていきますが、消費の仕方は生産と同じか、それ以上に大切なことだと思っています。無駄をなくすには必要な量を知っていないといけないですからね。消費面については、昨年秋からキャンプ場では、やまもりキャンプの取り組みを開始し、そこでお伝えしています。

生産と消費って言うまでもないですがバランスが大事で、木の場合はすぐに大きくなるものではないので消費するスピードも大切。楽しく焚き火をした結果、実は、山や森の環境が悪くなっていましたというのはずいぶん後味が悪い。

野菜ってどこの産地で誰が作ったかわかるものが随分と増えてきたけど、今後は薪でもこのような動きが出てくるのかななんて思いました(もう出てきているのかも)。「どこで誰が」に加えて、肉、魚で言う「ハラミ・えんがわ」とか部位までわかるようになるかもしれない。

ミッション:3,000本の木を植える

お客さんもスタッフも、みんなでやりたい

薪を積んだり、掃除って一人だとすごい時間がかかることが、何人かでやるとあっという間に終わることが多い気がします。勿論、手が増えたら早く終わるのは当たり前ですが、それ以上に早く終わることが多い。一緒にやる外作業は楽しいし、出来たことをお互いに共有できることもなんだか誇らしい。単純に一人よりも頑張れるんだと思います。
どうせやらなければいけないことでも、みんなでわいわいと真面目に活動(運動)したほうが気持ちが良いので、夏までにできるかぎりたくさんの人と苗を植える機会を設けたいと思います。

一人で3,000本植えると考えると途方も無いけど、100人いれば30本ずつ、1000人いれば3本ずつ、小さくしていけば自分でもできそうな感覚が出てきました。植え方については、教えてくれる人がいるので安心です。

(後日、植林日に関するお知らせ、募集をするので、ぜひ一緒に取り組みましょう!)

今あるもので形にする工夫

身の回りにある資源を見つめ直した結果、今回は「おしぎっぱの森」と「ルオムの森」を活かすことにしました。

理由はとてもシンプルで、どちらの森もすぐ傍にあることと、ドングリがたくさん落ちていたからです。今回植林する苗は広葉樹の苗なので、その種となるドングリを育てて、植林することで身の回りにある資源を活かせると考えました。後に作戦(より良い作戦が見つかった)を変更するのですが、苗をただ買ってきて植えるだけじゃない、身の回りにある資源を活かした僕たちらしい工夫が見えてきて楽しくなってきました。やらなければいけないことはやりたいことと繋げられるとやっぱり良い。次の回で、もう少し具体的な内容をお伝えします。

まとめと次回

今回は植林をすることになったきっかけや、取り組む方向性について触れました。

楽しそうと思ってくれる人がいたら、一緒に木を植えましょう!あんまりないチャンスだと思います。

次回は、植林する苗の準備についてお伝え予定です。お楽しみに。

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おまけ1[循環の中に身を置くということ(価値)]

循環プロジェクトに関して、大事にしていることがなかなかうまく表現できないなあと思っていたら、最近読んだ本の中で見つけました。

春もたけなわ、そろそろ初夏になる。今年は山へも行けず、山菜は無理だなあ、と思っていたら、山の近くに住む友人から、タラノメやコシアブラなどが送られてきて、感謝しつつお浸しや天ぷらにした。長い冬を忍耐した春の芽吹きのものは、勢いも力もあるがアクが多いので油がすぐにくたびれる。使った油は、米ぬかを混ぜてやがて肥料に回すべく寝かせてある。廃油は石鹸にもなるし、いざとなれば(私はもっていないが)ディーゼルカーにも使える。何より「循環の輪に入る」という感覚が精神に頗る(すこぶる)良い影響を与える。

出典:梨木香歩「炉辺の風おと」毎日文庫 ,2023年10月,284p

おまけ2[真冬の炭焼きマジック]

丁寧な仕事と手間を知り、自然と丁寧な消費をするようになったきっかけがこちら

いまは一歩進んで、こんなところにも循環(技術の巡り)を感じています。

おまけ3[森の木々が「燃料の薪」に変わる道のり]

「私達も循環の中にいる」ということを改めて感じられます。

◆やまもりキャンプ 植林プロジェクト「どんぐりラボ」◆

次回をお楽しみに!