きたもっく仕事図鑑14
炭焼きを受け継ぐ仕事
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新年最初の大安の日、炭窯で待望の火入れがおこなわれた。
スタッフが師匠に弟子入りしたのが2年前。築窯を開始したのが昨年の夏。
語り尽くせぬ紆余曲折や試行錯誤をへて、窯に火が灯った。
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浅間高原は昭和初期まで薪炭の一大産地であった。
小枝まで焚付けにする職人たちによって、山は美しく保たれていたという。
エネルギー革命後は火の消えたように失われつつある「仕事」だが、その知恵と技、炭がもたらす可能性や温もりは何にも変えがたい。
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小枝を燃やしながら窯の温度を徐々に上げていく。
汗が噴くほど暑い焚き口から離れ、小屋の外へ出る。
うっすら雪が覆う台地をのぼり裏にまわると、陽光に照らされた煙がまるで白い龍のように立ち昇った。

- 勤務地
- 北軽井沢
- 繁忙期
- 冬