いつものキャンプで「水」について考える、自然にやさしい暮らし

キャンプ場スタッフのつぐつぐです。

普段何気なく使っている、電気・水・ガス…生活に欠かせないこれらライフラインは、あたりまえに存続するように錯覚してしまうもの。でも、ここ最近の電気代やガソリン代の高騰に「このままで大丈夫?」と不安を感じている人も多いのでは?

キャンプに行くと何もないのがあたりまえ。ランタンやジャグ、炭を準備して、持参した分で足りるように生活します。

キャンプで「あたりまえ」のことをほんの少し日常生活に取り入れたら、楽しく地球にやさしい暮らしができるんじゃないか?

 

ふと立ち止まってあたりまえの「ライフライン」について考える、今回は「水」について、深掘りしていきます。

日常の「水」、キャンプの「水」

料理や食器洗い、お風呂やトイレ…日常で水を使うシーンはたくさんありますね。水は飲まなければ生死に関わるため、日本では公共事業として基本的に市区町村が上下水道を管理しています。

不自由なく整備されているため「大切なもの」という認識が薄れがち…(地域や年代によって水に対する感覚は異なりますが、平成生まれ北関東の田舎育ちの私は蛇口をひねれば清潔でおいしい水が無限に出てくるものと思ってました…)。

キャンプでも水を使うシーンは同じ。でも、キャンプでは必ずしも「蛇口をひねれば水が出る」ではありません

 

キャンプでは、水をためて使う


水道付きのコテージでは、蛇口をひねれば水が出ますが、それ以外の宿泊施設に泊まるときは共有施設の炊事棟に行くか、ウォータージャグに水を汲んで使用します。

たくさん使えば水を汲みに行く手間が増えるし、使った水の処理にも困ります。キャンプの中では不便があるからこそ無意識ながら「丁寧に使わなきゃ」と行動しているはず。

 

節水は節電・燃料節約(=co2削減)にもつながる

浅間北麓は地下水や河川・天候にも恵まれているので、水に困ることは滅多にありませんが、水も有限な資源。そして、水を使うと電気をはじめとするほかのエネルギーが消費されます。

▼ 参考:TOTO「知っておきたい節水のこと」

水が届くまで


地下水をくみ上げたり水の配送に使われるポンプを動かしたり、浄水場で濾過や消毒をするためには電気が必要です。お湯を使えばガスや灯油が必要になります。

▼ 参考:水資源機構「水が届くまで」

▼ 参考:神戸市水道局「水道水は家までどうやって届く?」

下水処理の仕組み


汚れた水は下水処理をして自然に戻ります。ゴミや砂を取り除き、目に見えない汚れも微生物が食べてキレイにしてくれます。この下水処理にも電気が使われます

▼ 参考:公益社団法人日本下水道協会「下水処理の仕組み」

まずは「ついうっかり」に気をつける

水は、手元に届くまで電気や燃料、労力がかかっている…では、どうやって大切に使うか?

少しの気遣いでできる節水方法があります。それは「うっかり」をなくすこと!!

 

自動に慣れすぎていませんか


スウィートグラスの水道は、自動では止まりません

普段の生活で、手をかざしたら水が出る(勝手に止まる)洗面やトイレを使っているご家庭はご注意を(特にお子様が使い方を知らない場合は教えてあげてくださいね)。

 

お風呂の湯張りは要注意!


コテージでよくあるのは、お風呂の湯張り中止め忘れてお湯が垂れ流しになるケース。

実はよくある話で、スウィートグラスでは3時間ガスを連続使用すると異常と見なされガスが止まり、ガス会社から管理棟へ連絡が来ます。風呂満水で300㍑、1分間に15㍑たまるとすると、3時間(180分)-満水までの時間(20分)=160分垂れ流し=2400㍑も捨てている計算(別途ガス代…)。

お手持ちのスマホで、20分でアラームを設定するなど忘れないよう対策をお願いします。

 

水を出しっぱなしにしない


節水の基本は「水を出しっぱなしにしない(小まめに止める)、水を汲むこと」です。歯磨きにはマイカップを、食器洗いにはつけ置き洗いをお試しください。

下水処理に負荷のかかるものは流さない

食べ残しや油を排水溝に流すと、キレイに処理するためにたくさんの水が必要になります。使う水を減らすことは大切ですが、排水方法を工夫することも重要です。

小さじ2のマヨネーズで300㍑の風呂8杯分、大さじ1の油で約15杯分必要

…油を排水溝に流してはいけないのは知っている人も多いですが、味噌汁(200mlで4.7杯)や牛乳(200mlで10杯)も量によっては負担が大きいのは以外でした…

▼ 参考:環境省「自然にやさしい浄化槽のひみつ」

処理能力を超えた排水があると、汚れたままの水が河川に流れてしまいます。負荷をかけないように油や食べ残しが排水に混ざらないよう工夫が必要です。

▼ 参考:こども環境白書2009(環境省)

都会にくらべ、キャンプ場や山小屋などは下水処理設備が弱い場合があります。キャンプに行くなら洗剤は極力自然に優しいものを使ってくださいね。

キャンプでつかえる節水小ワザ

食器洗い


  • 洗う前にキッチンペーパーや古紙で油、ドレッシングなど拭き取る
  • 油を使っていない料理は水洗い(洗う順番も油汚れのある物は最後に)
  • 鉄板や網は焼き切り、焦げはスクレーパーでこそげ落とす

キャンプ場で使うなら、分解に負荷のかかりにくい洗剤を(水を必要としない拭き取り式の洗剤が便利です)
我が家で使っているのはこちら ↓

▲ 左:石けん洗剤、真ん中・右:拭き取り式洗剤

※おすすめの洗剤があれば教えてほしいです。

焚き火台は水洗いせずハケやミニほうきでそうじすることをおすすめします(BBQグリルは油汚れが多くなりそうな場合、アルミホイルを敷いておくと汚れにくいです)。

 

家でできるものは家で


食器類は1泊の場合、さっとぬぐって持ち帰り、家の食洗機で本格的に洗い直す方法もあり。料理の下ごしらえも家である程度やっておけばゴミ削減、時間短縮にもなります。

これをすると○㍑節水!記録に挑戦!!

ポイントを貯める感覚で1回のキャンプで節水できた記録に挑戦してみよう。1回のキャンプでどのくらい水を使うのか、ウォータージャグの容量を調べておくと、いざ断水になったときどのくらい水が必要かの目安にもなります。

  • トイレの大・小の使い分け>小は大より1~2㍑減
  • 歯磨き時に水を出しっぱにしない>1分間に12㍑減
  • 洗い物の回数を減らす>5分間60㍑減

(水圧・水量によって変わりますが)1分間に水道を出しっぱなしにすると使用量は12㍑ほど。蛇口は小まめに開け閉めを心がけたいですね。

▼ 参考:TOTO「節水と節電」

まとめ:自然にやさしく、災害に備える体験をキャンプで楽しく

キャンプは楽しく「ライフライン」について向き合う良い機会。キャンプで学んだ気持ちを日常に持ち帰れば、地球にやさしいSDGsな暮らしができるはず。そして、キャンプで得た経験は、いざという災害時に役立ちます

この先、何十年、何百年とキャンプが楽しめるように。

ノルマを課して頑張りすぎると疲れてしまいます(楽しまないと続きません)。「ひとりがストイックに」ではなく「みんなでちょっとずつ」、キャンプで楽しく「水」に興味を持つきっかけを作ってみてはいかがでしょうか?

キャンプで見つけたライフラインの気づき、よかったら教えてくださいね。

 

 

おまけ:きたもっくの取り組み

2021年、キャンプ場スウィートグラスを運営する「きたもっく」がグッドデザイン金賞を受賞しました。そのカギとなったのは「持続可能な山とのおつきあい」。

地域の資源として眠っていた森を薪や建材として活用する自伐型林業、お金儲けや効率重視の伐採ではなく何百年も先を見据えた「人にも環境にも無理のない」循環の仕組みが評価されました。

キャンプ場スウィートグラスは、作った建材や薪の出口(消費先)として、お客様と地域の山をつないでいます。でも、もっと私たち(キャンプ場スタッフ)が主体的にできる「地域の自然と向き合う方法」ってないんだろうか?

アプローチのアイディアを集めるために「循環カフェ」を行いました。

集まったアイディアは約500個!今すぐに実践が難しくても「こうなると良いよね」のタネがたくさん。良いよね~だけだと発芽しないので、どうしたら木に育つのか…考えながら、無理なく楽しくできる方法を模索中です。

いつものキャンプで楽しく「自然に向き合うきっかけ」を、つくれたらいいなと思っています。

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参考:もっと知りたい人へ

・東京水道局「CO2計算ツール
・東京水道局「水の上手な使い方
・HITACHI「よごれた水をきれいにするしくみ

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キャンプ場北軽井沢スウィートグラス

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