きたもっく仕事図鑑29
新しい仲間を迎える仕事

採用から勤務時間の管理、売り上げや給料の計算など、各事業部を支える人事総務は、直接的な売り上げやお客様と接する機会はあまりないが、働くスタッフのサポートをしてくれる「縁の下の力持ち」だ。

多岐にわたる仕事内容の内、今回は自社で管理する単身者寮について聞いてみると想像以上の気配りが隠れていた。

寮を管理する上での合い言葉は「無駄なく合理的かつ快適に」。
例えると、自分の家以外に見なければいけない家が複数ある状態。電球がきれた、網戸が壊れた、トイレットペーパーが無くなる前に買い足す、凍結しないよう冬が来る前に電熱線を入れて、湿気でカビないようにたまに押し入れを開けて風を通す…多いと管理に手間がかかる、現在は3棟(14名ほど入居可能)におちついた。

樹上体験施設「スウィートグラスアドベンチャー(通称:SGA)」を運営時、繁忙期に必要な人員は10~15人と多く、寮は5棟、相部屋運営をしていた。SGAが営業終了し、コロナ渦を経て1人1部屋に切り替えた。10年以上勤める先輩から当時の寮生活の話を聞くと、室内でも氷点下・虫やネズミとはお友達…など田舎ならではの笑い話がたくさん。総務の努力によって、昔とくらべるとかなり快適になってきている。

▼現在リニューアル中の寮、大部屋から個室を増やし、外装もおしゃれに変身!
自転車や布団はほぼレンタルへ移行。お金はかかるが、使われない期間にネズミや湿気にやられてしまう管理コストを削減。

キャンプ場が冬期営業にも力を入れ通年雇用が可能になったが、必要な人員には季節的な偏りがある。短期決戦のゴールデンウィーク、夏休みシーズンは人手が足りず、短期スタッフを受け入れることもある。

各部署の求人要請に応えつつ、寮の空き状況を確認、入寮計画をたて、ダブルブッキングが起きないように管理。男女比率や入退居日の調整できないと泣く泣く採用を見送ることもある。

さらには、入寮者の相性(たとえばリゾートバイトの元気良い若者と中途採用の落ち着いた30代が一緒にならないように)や、通勤手段(勤務地まで3~4kmあるので車がない人は自転車を支給)などを考慮し寮の割り振りを行っている。

▼無駄な衝突がないように、部屋の割り振りも慎重に行う
▼入居前の簡単な清掃や寝具の準備も総務が担当
▼入寮初日に注意事項など案内を行う
ランニングコストを極力おさえるようやりくりするかたわら、各勤務地に出向く機会があれば積極的に話しかけ、生活面で問題が無いか、ストレスを抱えていないか気にかけるそうだ。

「家が寒かったら、笑顔で仕事ができないもんね」

職場で全力を出せるように、先手先手の心配りをする。人事総務は働くと生きるを支える、会社に欠かせない存在だ。