山との多面的な関わりから生まれた蜂蜜

きたもっくが養蜂に取り組むきっかけとなった二度上山で採れた蜂蜜が販売された。『ぶんぶん山の夏休み』と題された山の蜂蜜だ。

二度上山は広葉樹とカラマツが中心の自社山林で、主に冬の間は伐採を行っている。木を伐り光が入るようになった遊休地に蜂箱を置き、植生循環の促進や山林の多面的な価値化の一環として2018年に養蜂を始めた。今では群馬県西部の11エリアを圃場とし、標高差1,000mを花の開花に合わせて移動している。

夏の最終採蜜地となる標高1,230mの二度上山は、この地域で養蜂をするには限界の温度帯。一昨年は蜂箱を置いたが蜜が集まらず、昨年は設置しなかった。蜜蜂のコンディション、花の開花時期、天候など、様々な状況が重なって美味しい蜂蜜が採れる。

今年は早かった梅雨明け直後に奇跡的に快晴の日が数日続き、働き盛りの蜜蜂達が頑張って約100kgほどが採蜜できた。蜜源植物はミズキ、キハダ、サワフタギ、サルナシ、ツルウメモドキ、チダケサシ、ハシドイなどの二度上山に自生する広葉樹で、高山植物の蜜も入っているようだ。味はまさに「夏の山」。力強さ、野生みを感じる山のポテンシャルに満ちた複雑な味わいが舌の上で転がり、スッと抜けていく。どこか生薬っぽさを感じるのはキハダ由来か。

きたもっくの蜂蜜『百蜜』は、蜜蜂たちが飛び交った地域の風景をそのまま表す。山間の隠れ里や泉湧く崖、人の手が入らなくなった梅林など、どんな場所でどんな花が咲いていたのか。二度上山で採れた蜂蜜は、山が木の畑ではなく、多様な植生を有する生きた山であることを想像させてくれる。