キタコレ#9
お化け屋敷と怖れられた廃屋が 「シェルター」として蘇るビフォーアフター

最終更新日

きたもっくコレクション

きたもっくコレクション#09

きたもっくのグッドデザインを紹介する「キタコレ」第9弾は、TAKIVIVAからピックアップ。

お化け屋敷として恐れられていた廃墟が、国際的なデザイン賞を獲得するまでに生まれ変わったのは、なぜ?

その背景をお伝えします。

 

変わる社会需要に、応えるタキビバ

TAKIVIVAシェルター
焚火に集う宿泊型ミーティング施設「TAKIVIVA(タキビバ)」が、好調である。

オープン直後から発生した新型コロナウィルスの影響も徐々に落ち着き、集うことの重要性が社会的に高まっているようだ。

計画時には想定していなかったが、屋外の焚火エリアや個に分かれた宿泊施設に、三密を避ける仕組みが自然に備わっていることも、好調の要因であろう。

リピートする団体も多く、幼稚園児のアクティブラーニングや結婚式など、利用シーンも拡大している。

みつばち保育園の利用シーン

 

自然にむきあう、人間の砦(シェルター)

TAKIVIVAシェルター

TAKIVIVAは大きく2つのエリアに分かれる。

焚火をする外と、ホールや宿泊機能を備えた内。

元々敷地内にあったコンクリートの廃屋は、お化け屋敷のような惨状であった。

リノベーション前の廃屋

それを限られた予算で、独創的なコンセプトにどう合致させるか?

取り壊して、自分たちが得意とする木造建築をつくる─

もっともな多数意見を退けたのは、代表の一声だった。

「厳しい自然と対峙するために、堅牢な人間の砦が必要なんです」

そこから、浅間高原に点在する火山の避難施設「シェルター」が想起される。

火山避難施設

 

温度感をコントロールする、デザイン&アート

リノベーションを担ったのは、岡山県西粟倉村の「ようび」さん。

静と動、都市と自然、集団と個人。

相反する事象を体感するというコンセプトから、色味や温度感を削ぎ落としていく。

クールなデザインには驚いたが、無機質な空間では木の窓枠や家具が引き立ち、より美しく見えることにまた驚く。

シェルター内ホール

特に「ReGo(離合)」と名付けた寝室は、引き算の美学の結晶である。

きたもっくスタッフと共作したアートやサインで、さらに温度感を調整する。

「ASIA DESIGN PRIZE」にて「GRAND PRIZE」を受賞するなど、国際的な評価も高いTAKIVIVA。

これからも様々な「未来発火点」が生まれることだろう 。

名称
TAKIVIVA / シェルター
タイプ
フィールドデザイン
事業地
TAKIVIVA
誕生年
2020年
建築面積
約 670㎡
建築設計施工・家具デザイン制作
ようび