あさまのぶんぶん
ミツバチたちの冬休み、極寒の北軽井沢で冬を越す

スタッフのつぐつぐです。今日は、スウィートグラスを運営するきたもっくの地域資源活用事業部(あさまのぶんぶん)の養蜂について紹介します。

2018年の春先からはじまったきたもっくの養蜂は、もうすぐ8周年!今では、ハチ数も生産量も増え、きたもっくを代表する事業のひとつになりました。

▼アサマヒュッテや売店でもおなじみの百∞蜜-ももみつ-はぶんぶんの養蜂チームが育てたハチたちが集めてくれたもの

同じ会社でも勤務地が異なるキャンプ場に居るとその様子は見えにくい…ミツバチたちは、花が咲く時期に忙しいのはわかるけど、花の咲かない冬はいったいどこでどうしているのか…?知る人ぞ知るエピソードを養蜂チームに聞いていきました。

ミツバチたちは冬にこんなことをしている

寒い冬は生き物たちにとって、厳しい季節。ふさふさの毛皮で暖をとるもの、巣穴でゆっくり冬眠するもの、暖かい地域へ移動するもの、あの手この手で冬を越します。虫の姿はほとんど見ません。

▼薪ストーブユーザーにはおなじみ、薪棚にじっとしているカメムシやクロスズメバチ。死んでいるわけではなく、あたたかくなると動き出す。
多くの虫が動かず春を待つのに対し、ミツバチは冬眠しません。巣箱の中で集まり、お互いにあたためながら過ごします。

▼羽を動かす筋肉をふるわせ、35℃前後をキープする(2026年2月4日撮影)

▼眠っていないので天気の良い暖かい日には、外の様子を見に出てくる(2025年12月19日撮影)

ミツバチは花の花粉や蜜が主食、保存食のはちみつのおかげで冬も活動ができます。保存食にも限りがあるので、越冬は少数精鋭で。秋から徐々に女王バチは卵を産むペースを落とし、冬は子育てをストップ。働かないエサを消費するだけのオスは追い出されてしまいます。

花が咲くようになると、子育てが再開。働きバチの数を増やし、蜜集めに忙しくなります。

【社会性昆虫ミツバチの家族構成】
ミツバチは、1匹の女王バチと多数の働きバチと少しのオスバチで1つの群れ、同じ巣箱で生活する。
採蜜時期(春・夏)は働きバチの数が増え、巣箱を上に重ねていく。1段目は女王バチと幼虫たちの育成室、2段目以降がはちみつの貯蔵庫。数が増え、窮屈になってくると新しい女王バチを育て、母は働きバチの半分を引き連れ引っ越し(分蜂)してしまう。採蜜時期の働きバチの寿命は1ヶ月ほど、対し冬は2~3ヶ月と長寿。

養蜂家は冬のためにこんなことをしている

ミツバチたちに冬を越してもらうには、人のお手伝いが重要になります。

きたもっく養蜂では、8月ではちみつの収穫を終え、冬の間はミツバチたちが自ら集めた蜜を食べて過ごせるようにしています。通常、人間が蜜を採りすぎると代わりに砂糖水などの人工の食事を与える必要がありますが、ハチ本来の健康を考え、自らの力で冬を越せるようにしています。

日差しがある暖かい日には、ハチたちが元気に過ごせているか一軒ずつそっと中を確認。

2023年3月30日撮影

【天敵!ミツバチヘギイタダニ】
ミツバチに寄生し、体液を吸う。病気のウィルスを媒介、ダニの数が増えるとミツバチが減り、群れの活性が落ちてしまう。幼虫~さなぎの中で増えるので、女王バチが卵を産まなければダニの増加をおさえられる。ダニ対策は養蜂をする上でかなり重要!!

ぶんぶんのミツバチたちは、群馬県内約10ヶ所、高崎から北軽井沢まで花の開花を追って旅をしながら蜜を集めます。

夏に北軽井沢へ集合した巣箱は、秋の花を追って高崎・榛名へ戻ります。

▼花が減る時期に咲くタラノキの花。秋は標高が高い場所から順に低い方へ開花していく。
越冬に失敗すると1家全滅のおそれがあるため、夏~秋には人工的に分蜂を促し女王バチを増やしていきます。春をむかえるのは、北軽井沢よりもあたたかい高崎・榛名で。

2023年3月4日撮影

冬の北軽井沢で越冬!はじめての試み

例年だと、秋に高崎・榛名に下りたまま春を待ちますが、今シーズンは12月上旬~1月末ごろまでハチたちは北軽井沢に居ました。氷点下の世界に置くことはかわいそうに見えますが、ダニの被害を抑えるための新しい試みです。

2025年12月14日撮影

あたたかいと産卵が止まらず、巣箱内でダニが繁殖。通常は、女王バチを隔離し、卵を産まないように管理する。隔離がうまくいかずに、気づいた時には群れの数が減ってしまうことはめずらしくないそう。ダニ対策は養蜂業界全体の課題…寒いと産卵が止まるため、巣箱ごと巨大な冷蔵庫に入れる方法などさまざな研究がされている。

いかに数を減らさずに冬を越すかが翌年の収量に大きく関わります。なにより、大切に育てたハチたちに元気に過ごしてほしい…

▼今年の冬は割と寒く、-10℃を下回る日が多かった。それでも良い天気の日はおさんぽへ出かけるたくましさ(2025年12月28日撮影)

寒く厳しい冬には、「生きる力」が試されます。慣習に頼らずチャレンジする、ミツバチたちを信じた養蜂チームにあっぱれ。

初蜜に向け、スタートダッシュ

北軽井沢ではまだまだ冬の景色ですが、高崎の圃場では梅の花が咲き、徐々にハチたちも活発に動いています。冬明け1番に採取した「初蜜」はゴールデンウィークに間に合うよう準備中。

ひとつひとつバトンをつないでお客様の元へ。冬が長い北軽井沢にいると、春が来る喜びはひとしお。一足先に春をむかえたハチたちに元気をもらうのです。

百蜜オンラインショップでは、はちみつを販売中!毎月8日ごろにミツバチたちの様子を知れるメールマガジンの配信も行っています。

夜ヒュッテでは、ミツロウを使ったワークショップも開催中(~4/25まで)。

おまけに…ミツバチのお引っ越し事情

ぶんぶんのミツバチたち、その圃場は高崎から北軽井沢まで。春先はあたたかい高崎・榛名で働きバチの数を増やし、花の開花を追って北軽井沢へ向かいます。

巣箱を置く期間は圃場によってまちまち。ミツバチは普段、巣箱から半径2~3kmの範囲を飛び回っています。採蜜を狙っている花の開花に合わせたり、農薬に弱いため圃場近くの農作物が育つ前に撤収したり。周囲の環境をよく知り、タイミングを見極めて引っ越し作業を行います。

ミツバチたちは、夜には巣箱に戻るため、お引っ越しは夕方~夜に行います。軽トラックに積み込んで、揺れないようにしっかり固定。

刺激があると興奮して高温になり蒸し焼き状態になってしまうため、カーブやデコボコ道路はゆっくり慎重に走ります。今回の冬のお引っ越しでは、軽トラ3台で5日ほどかかったそう(行って帰ってくるので、合計10日ほど、大変な作業…)。

▼中に熱がこもらないよう、巣箱には網の窓付き

採蜜時期(春夏)は巣箱の段が増えるので、2人1組で積卸し。日が長くハチがなかなか帰ってこないので作業を終えるのが深夜になることも。その点、冬のお引っ越しは1段ずつなので1人で持てる、ハチの帰宅も早いので夕方から作業をすすめられ、大変な引っ越し作業もやってみたら案外なんとかなったそう。

▼採蜜時期(春夏)の巣箱、家族が増えるにつれ2段3段と上に増えていく(2022年6月22日撮影)

これから採蜜時期をむかえ、4月末から本格的な引っ越しシーズンに入ります。夜にはちゃんと巣箱に帰ってきたり、晴れの日は機嫌が良かったり、愛らしい一面があるミツバチ。今年も長い旅がはじまります。

持続可能な「身近な山とのおつきあい」

林業や養蜂は、キャンプ場と関係ないように見える事業ですが、作ったものを使用(販売)する「出口のひとつ」として、ちゃんとつながっています。

この先、何十年、何百年とキャンプを楽しめるように。
持続可能な「身近な山とのおつきあい」、それは人も自然も無理をしない関係を築くこと。お互いの力を借りて、無理なく手の届く範囲で。私たちも循環の一員、食べることで守れる未来があります。

▼受粉の手助けをするミツバチは植物の命をつなぐ役割を担っている

食べることは生きること。おいしいものを食べると誰もが笑顔になります。百∞蜜は、ただの甘い蜜ではなく、花の香りの個性があり、おうちの中でも自然を感じられます。ミツバチたちの姿を知るとより一層豊かな気持ちに。まだ食べたことがない人は、ルオムの森でテイスティングが出来ますよ。オンラインショップ、ルオムの森、アサマヒュッテで購入可能です。

森の一部(薪、建材、炭、はちみつなど)を通し、ストーリーも一緒にお客様へお伝えできるよう、心意気のバトンを引き継いでいきます。少しでもこのブログで伝われば幸いです。