アサマ狼煙2024
ともに、アサマ狼煙をあげる焚人たち
原点にかえる9年目のアサマ狼煙
遅い紅葉に彩られた11月のスウィートグラスで、恒例の火祭り「アサマ狼煙(のろし)」が開催された。火に集う形を情熱的に模索してきた祭りは、「TAKIVIVA(タキビバ)」誕生の火付け役でもある。
圧倒的な火の魅力を伝えるため、狼煙史上最多の「炎卓」を設置。丸太を横倒しに燃やす北欧スタイルの焚火炉は、一般的なキャンプギアとは一線を画した風情がある。身の丈を越える巨大なスウェディッシュトーチとともに、あさまのぶんぶんの製材機で量産した。まるで合戦場のように白煙が立ち込める景色こそ、狼煙の醍醐味だ。
火が温める焚人の輪
焚火好きが集まる祭りでは、焚人(たきびと)たちの燃焼反応も温かい。
本格的な鍛治体験を提供する「Koki Blacksmith」は年々仲間を増やしているが、そのひとりはスウィートグラスで出会ったお客さんだという。
長年キャンプ場に勤めていたスタッフが娘さんとキッチンカー「LUCaS」を出店してくれたり、アルバイトをしていた青年が燕三条のアウトドアブランド「LALPHA」として参加してくれたのも嬉しい。
常連とも言える焚人たちも増えている。
地元・長野原町の老舗「浅間酒造」の初参加は7年前。いつも、新酒や甘酒の振る舞いをしてくれる。
6年目となる長野の木こりユニット「ソマフ」の目標は、翌年も狼煙によばれること。毎年家族で遊びに来てくれる。優しい歌声が会場を包み、午後のチルタイムを演出した。
チェンソーなどの世界的メーカー「ハスクバーナ」さんも4年目。「あさまの薪フェス」からのお付き合い。
天高くのぼる火煙の共演
きたもっくの火の歴史に欠かせない伴走者「ファイヤーサイド」が結んだ新しい出会いもあった。
アウトサイダーこと上山さん(写真左)が提唱する「フォーキング®︎」は、焚火の根源的な楽しさを再認識させてくれる。バネ式の金具を参加者全組に配ると、枝に取り付けて思い思いに食材を炙る姿が見られた。「porco_salumeria」の静二郎さん(右)がつくる絶品ソーセージと笑顔のコラボ。
狼煙に欠かせない焚人といえば、ファイヤーショウの「GOROPIKA」。見るだけで元気になるパフォーマンスの秘密を聞いてみる。
バックパッカー時代に旅先で習得したというリーダー・カンタさんは「かっこいいことを やって、かっこつけたらかっこ悪い」火をつけて踊るのは本番だけで「慣れたくない」という言葉にも、真摯な思いが伝わってくる。
ジャンベや和太鼓の生演奏が轟くなか、燃える神輿が 登場し会場がどよめく。百人の松明が一つの巨大な火柱になり、天を焦すように高く高く狼煙が上がった。