スウィートグラス30周年記念!
ツリーハウスのこれまで&これから
キャンプ場スウィートグラスの開業30周年を記念した大型プロジェクトがスタート!
スウィートグラスのアイコンにもなっている”ツリーハウス”に新しい仲間が加わる。
来年春の完成を目指してスタートしたプロジェクトのキーマンに話を伺った。
スウィートグラスの世界観をつくるツリーハウス
スウィートグラスには大小合わせて複数のツリーハウスがある。
吊り橋回廊で繋がったツリーハウス「トントゥ」と「ノア」。
波打つ大きな黒板の「おしぎっぱ画廊」。
きのこ型のアスレチック「マッシュルームランド」。
夢の泊まれるツリーハウス「ツリーハウス・マッシュルーム」。
いずれも、曲木やきのこなど、自然の造形をモチーフにした世界観で統一され、これら全てをツリーハウスビルダーの稲垣豊さんが手掛けた。
稲垣さんが主宰する「Forest Works」は、浅間高原を拠点にツリーハウスや子供の遊び場、ウッドデッキ、コテージや別荘などの建築施工を行っている。
スウィートグラス以外にも
「ルオムの森」
埼玉県の「ムーミンバレーパーク(おさびし山エリア)」
芸能事務所アミューズの山梨本社「アミューズ ヴィレッジ」
などを手掛け、5月に長野原町主催で開催した詩人・谷川俊太郎さんにちなんだ企画では、北軽井沢グラウンドにもツリーデッキ黒板を制作した。
知られざるスウィートグラスとツリーハウスの歴史
そんな日本を代表するツリーハウスビルダーの稲垣さんだが、実は黎明期のスウィートグラスのスタッフなのだ!
美術大学を卒業後、住み込みのログハウスビルダーの就職案内に飛びついて浅間高原にやってきた。
働きながら建築の基礎を学んでいる中、現在も続く北軽井沢の真冬のお祭り(炎の祭り)を手伝ってほしいときたもっくの代表に声をかけられ、凍える中で雪像を一緒に作った。
それがきっかけとなり、開業から間もない1997年にスウィートグラスのスタッフになる。
当時はゴールデンウィークとお盆にしかお客さんは来なかったので、暇な時間はキャンプ場内の建築物をつくることに。
今でも宿泊施設として使われているいくつかのキャビンは、稲垣さんが当時のスタッフと一緒に制作した。
他にも、地域の造園屋の仕事をしたり、代表がはじめたラーメン屋をやったり…!
そんな日々の中、場内に子供の遊び場を作りたいと構想を始める。
日本では馴染みのなかったツリーハウスを作りたいが、周りに説明してもゲゲゲの鬼太郎の家か?と言われてしまい、1枚のスケッチを描いた。
99年、後に星野リゾートのツリーハウスを手掛けるツリーハウスクリエイターの小林崇さんに紹介され、アメリカオレゴン州の「Out’n’About」で開催されたツリーハウスミーティングに参加。
世界各国からの参加者と一緒に、一週間ほど滞在しながら工法を学んだ。
帰国後、最初に制作したのが「マッシュルームランド」だ。そこからはツリーハウスづくりにのめり込み、2008年には「Forest Works」を立ち上げ独立。
制作の場をスウィートグラスから広げ、今では全国から声がかかる。
新しいツリーハウス スケッチ公開!
開業30周年の節目に制作するツリーハウスはどんなものになるのか。
稲垣さんは手書きのスケッチ以外、設計図などは一切作らない。
高さは10m以上、遮るもののない浅間山を見渡せ、夜にはぼんやりと灯りがともる。
あの木にいつかツリーハウスを作りたいと、10年前から稲垣さんの頭の中にはすでに構想があった。
30年の間にきたもっくでは伐採や製材を手掛けるようになり、新しいツリーハウスには地域材をふんだんに使用する予定。
制作期間中は、お客さんにも参加してもらえるイベントも計画中だ。
制作は9月から。樹上に徐々に組み上がっていく様子が見れる貴重な機会。
場内のどこにできるかも探してみてほしい。
稲垣豊
1968年 鳥取県生まれ
多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業。自然の中で暮らしながら物創りをしたいという思いから、群馬県嬬恋村にログビルダーとして就職。3年間、建築の基礎を学ぶ。その後、キャンプ場スウィートグラスのスタッフとして働き始め、その頃からツリーハウス作りを構想し始める。99年、アメリカオレゴン州で開催されたツリーハウスミーティングに参加し、ツリーハウス作りにのめり込んでいく。2008年、人と自然の繋がりを独自の世界観で表現する事を目指し「Forest Works」を立ち上げ独立。