1本の木をムダなく活かしたい ─
夢から生まれる新しい事業
2023年11月に発刊された「地域社会とバイオマス」に、きたもっくの取り組みが紹介された。バイオマスとは生物由来の資源のうち石油など化石燃料を除いた再生可能エネルギーのこと。中山間地域に暮らす私たちにとっては、伐期を迎えた数多の木々だ。
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宿泊施設や拠点を薪火で暖めるため、その薪をつくるため、木材を乾燥させるため、蜂蜜を保温したりピッツァを焼くため…多様な事業はすべて薪をエネルギーに循環している。とはいえ、木は生き物。1本の立ち木から有効活用できるのは50%以下とも言われる林業界で、ムダにすることなく活かしたいと様々な挑戦を続けている。
昨年は世界最高峰の薪割り機ピノサを導入し、今まで活用できなかった小径木を価値化。短くカットすることで、人工乾燥不要な「コロ薪」としてキャンプ場の薪需要を支えていく。
さらに細い枝は木炭にするべく、炭焼き事業も開始した。

グループ企業である「パイオニア福嶋」では、割薪や製材時に発生するおが粉の価値化にチャレンジしている。酪農が盛んなエリア特性を活かし、牛糞や鶏糞とおが粉に光合成細菌を加えることで短期間で良質な堆肥づくりに成功。近隣農家や専門家と協力しながら、地域内循環を目指す。
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