距離感の先のコミュニケーション
木枯らしが吹いて寒さも本格的となった12月。スウィートグラスは、より冬を楽しむためのホワイトシーズンに入った。クリスマスから年末年始にかけては例年、ケーキ作りや森の小人のパーティーなど、見知らぬ家族同士も肩を並べて笑い合うイベントが人気だったが、今年は同じようにはできない。
コロナ禍にあって、お客様の場内での過ごし方も変わってきた。場内のWi-Fiサービスを開始したことで、リモートワークやワーケーション目的で来場される方が増えた。また、予約状況を見ていくと、食材セットの予約率が飛躍的に伸びており、イベントに替わって各宿泊先での時間の使い方にシフトしているようだ。
イベントだけでなく、チェックイン/アウトのオペレーションもドライブスルー方式となり、対面接客の時間は極端に減った。場内を見廻る時も、お客様が困っていそうであればすぐに声を掛けたし、ちょっとした世間話をすることもあったが、最近では声を掛けるタイミングが限られてしまっている。スタッフが危険な状況と判断した場合や他のお客様に迷惑が及んでいる場合だ。
あるスタッフが「お客様との距離感が変わった」とこぼしたのが印象的だった。接する時間が減ったことで、心の距離が生じてしまったという。
スウィートグラスを紹介するとき、ロケーションや施設に光が当たりがちだが、スタッフの細やかなサービスや臨機応変な対応力がリピート率を上げてきたことは間違いない。対面できる機会が少なくても、その貴重な機会は丁寧に接したいし、足りない部分はいろんなものを総動員して補いたい。先の見通せない状況にあっても、新しいコミュニケーションを探ることを諦めはしない。
これまでの「当たり前」がひっくり返ってしまった今だから、スウィートグラスでできること、提案したいことを見直すチャンスにしたい。