生産から消費をつなぐ きたもっくの「仕組み」
きたもっくは農林水産省の「ディスカバー農山漁村の宝」で関東ブロックに選定された。地域の山林とキャンプ場を舞台に、生産から理想的消費の流れをつくった仕組みが認められてのことだ。その仕組みは循環であり、循環をつくるには川上から川下までの複合的な多面展開が必要で、持続的に続けていくためには地域特性を生かす必要があった。
四半世紀前にはじめたキャンプ場を起点に、冬キャンプの提案(後の薪火暮らし提案に繋がっていく)、薪の安定供給を行うための林業、そして山仕事へと発展してきた。山との付き合いが深まってくると、養蜂や広葉樹小径木の利活用といった切り口の異なるプロジェクトも生まれた。
身近な山との関わりは、山仕事に携わる人に限らない。地場産の薪の購入は地域内エネルギー循環に繋がっているし、椅子にする材を探しに山に入ることだって接点といえる。山を中心とした関係人口の広がりが、さらに大きな循環を作っていく。
つい最近、会社案内図が新しくなった。A3一枚の中に、各事業部や各種サービスが盛り込まれ、仕組みを「見える化」したのが特徴だ。地図ではないが、山に向かっているように見えなくもない。ひとつの「点」で始まった事業が、線になり、面になって立ち上がってきた。間違いなく今、これからが面白い。