キャンプでBBQ:灰や炭の後始末、つけ方、必要な道具、マナーまとめ
キャンプ場スタッフのつぐつぐです。
今回は【初心者向け】バーベキュー(BBQ)の火の扱いについてご紹介!!
なかなかつかない、消えるまで時間がかかる&知らないと迷惑をかけるマナーなどについて、詳しく説明していきます。
準備編
薪・炭・着火剤・マッチ…どれもキャンプ場に販売がありますが、BBQするには何を使ったら良いの…?
炭?薪?バーベキューには炭がおすすめ
炭(すみ)は、薪を炭化させたもの。炎が大きくならず、高温が長続きするため「調理」に向いています。
薪(まき)は火がつきやすいですが、火力が安定しなかったり、爆ぜたり、食材がススだらけになったり…調理よりも炎を楽しむ「焚き火」に向いています。
【スウィートグラスのルール・マナー】※BBQ専用のグリル(コンロ)に薪を入れると炎が大きく危険!特にコテージ・キャビンのBBQ専用備え付けグリルでは炭を使い、薪は入れないでください。
必要な道具
これから道具を買う予定の人は、キャンプで使うならBBQグリルと併用できる焚き火台、BBQのみで使うなら立ったまま焼ける足の長いタイプがおすすめです。
スウィートグラスでは、どちらもレンタル可能!買う前に試したい方は是非、借りて使ってみてくださいね
忘れがちの小物たちをリストにしておきます。
- 火ばさみ
- 軍手
- 焼き網
- マッチ(チャッカマン)
- うちわ
- 着火剤
◆あると便利◆
油汚れが気になる人は、あらかじめBBQグリルにアルミホイルを敷いておくと後片付けが楽になります。
火起こし編
すぐには火はつきません(最短でも30分はかかると思って!)。初心者は、チャコールスターターでの着火がおすすめです。
着火剤は必須!!
炭にも種類があります(大きく分けて黒炭、白炭、成形炭の3種)。(一部の成形炭以外は)着火剤がないとなかなか火がつきません。
- 黒炭:よくホームセンターに売っている一般的な炭。火付き○、火持ち△
- 白炭:いわゆる備長炭。火付き△、火持ち◎
- 成形炭:おがくずを固めて炭にしたオガ炭やヤシガラを炭にして固めたヤシガラ炭など。ものによって火付きの良さ、火持ちが異なる。なかには着火剤不要のものも(例:ロゴス、コメリ)
1つで約15分間燃える固形の着火剤4つ1セット100円で販売しています。
▼ ファイヤーサイドのドラゴン着火剤、4つ1セット100円(箱売り-24個入-もあります)
付け方の基本
便利な道具
うちわ
火を燃え広げるには空気が必要、原始的ですが「うちわ」の有無は雲泥の差…最強の助っ人です。※スウィートグラスでは無料貸出し有り
チャコールスターター
初心者には難しい「空気の通り道を読む(つくる)」作業…チャコスタは無造作に入れるだけで簡単に空気の通りをよく、最初の着火を楽にしてくれます。※スウィートグラスでは無料貸出し有り
バーナー(ガストーチ)
バーナー(ガストーチ)があると着火剤がなくても着火が可能です。炭に火がつくまでバーナーの炎を当て続ける必要があるため、火付きの悪い炭や量の多い炭をおこす際は着火剤と併用すると便利です。
※スウィートグラスではバーナー(ガストーチ)の貸出しをしていません。必要な方は持参ください。
後片付け編
完全に火が消えるには数時間単位で時間がかかります。設営や片付けで意外と忙しいキャンプ、無理せず楽しめる範囲で火を使う計画を。
炭火・薪火以外の熱源があると便利
キャンプだからと炭や薪を使った調理に目が行きがちですが、全ての調理を炭で行う必要はありません(玄人でも、それってすごく大変)。
ちょっとした湯沸かしやチェックアウト日の朝食など、ガスコンロやシングルバーナーで時短、メリハリをつけましょう。
消し方いろいろ
1番簡単なのは、時間をかけて自然に消えるのを待つこと。
早く消すコツは、炭や熾火を広げて1つ1つを冷ますイメージ。
▼ 灰がかぶっていると火が消えにくく、一見、消えたように見えても、高温がなかなか抜けません。
熱が冷めるまで早くても1~2時間ほどかかります。1晩置くぐらい余裕を持つと安心です。時間に余裕を持って計画を立ててくださいね。
火消し壺や水を張ったバケツにつけるなど、強制的に火を消す方法もあります。
▼ 左にあるのが火消し壺(現在、スウィートグラスでは貸し出ししていません)
消し炭を再利用できるので、頻繁にキャンプに行く方にはおすすめです(火消し壺は高温になるので、冷めるまで持ち運びは危険!)。
※水をかけて消火しようとすると、灰が飛び散ったり、道具が壊れたり、とても危険です。
捨て方…灰捨て場へ
燃え残りの灰や炭は、キャンプ場ごとに処理方法が異なります。受付時に必ず確認しましょう。
灰専用の捨て場があるキャンプ場が多いですが、燃えるゴミとして捨てる場合や持ち帰る場合は、確実に消えていることを確認してください。
明るい時間帯は特に、目視で消えているかどうか確認しにくいです(消えていると思ってゴミ袋に移したら、灰の中にまだ赤い炭が残っていてゴミ袋が熱で破けたこと、過去に経験があります…)。
熱いままゴミや荷物に混ぜれば火事のもと、大変危険です。火消し壺や水を張ったバケツにつける方法で、1晩置くぐらい余裕を持つと安心です。
【スウィートグラスでは】灰専用の「灰捨て場」があります。火がおちついた状態でこちらに捨ててください。
▲ 片付け用のバケツ・十能(灰かきスコップ)・火ばさみも常設しています。
※全く燃やしていない薪や炭、完全に火が消えているうまく燃えなかった大きな薪は管理棟でお預かり、再利用します。灰捨て場ではなく、管理棟へお持ちください。
注意編
意外と知らないマナー、実は危ない行動をまとめました。初心者の方は要チェック!
やけど
火や熱いものに触ればやけどします。火をおこすとき、片付けの際は軍手(もしくは熱に強い革手袋)を必ずつけましょう。
火を消す方法でやってしまいがちな「水をかける」行為は、高温の水蒸気が出たり、煙や灰が飛んだり、BBQグリルが壊れたり…とても危険!!
消火時に火消し壺を使う場合、火消し壺は高温になります。ペットやお子様が触らないようご注意を。また、木のデッキや床に置けば焦げます。レンガやBBQグリルなど、燃えない素材の上で冷ますよう気をつけて。
CO中毒
キャノピー下でBBQをすると風向きによってはテント内に煙や汚れた空気がたまり、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
特に雨の日は、難燃性のタープを使うかBBQは諦める判断を。
▼ 詳しくはこちらの記事を参考に。
火の番を必ずつけて消火まで見守る
ものすごく当たり前ですが、さまざまな影響を受ける屋外では火をつけたままその場を離れないでください。
テントが倒れて燃え移るかも、炎が大きくなりすぎて燃え広がるかも、火の粉が舞ってお隣さんのテントに穴を開けるかも…その場に居て、状況に合わせた対応をお願いします。
★ 消火に時間がかかるので、燃やしすぎに注意!!
BBQより焚き火でありがちなのが、楽しすぎて「寝る直前までガンガン焚いてしまう」こと。
薪の種類や量によりますが、完全に火が消えるには1~2時間以上かかります。スウィートグラスでは22時消灯になるので、21時以降は新しい薪をくべないよう調整してください。
マナー・ルール
◆直火禁止◆
キャンプ場によってルールが異なりますが、ほとんどのキャンプ場で直火は禁止されています。ある程度高さのある焚き火台を使ってください。
木のテーブルやデッキ、芝生もアツアツな道具が触れると焦げます。やけどさせないようにご配慮ください。
▲ アツアツのダッチオーブンも焦げの原因になるので直接地面に置かないように!!
※スウィートグラスでは、焚火台シートのレンタルをしています(売店で販売もあります)。withDOG施設のウッドチップ上で焚き火をする際は、シートを必ず使ってくださいね。
◆炊事棟で焚き火台・BBQグリルは洗わないで◆
キャンプ場により専用の洗い場をもうけている場所もありますが、基本的に炊事棟で灰や泥汚れのある物を洗うのはNG!!
シンクが汚れるだけでなく、排水溝が詰まったり、下水処理に負担がかかったり…。
ハケや小さなホウキで灰を払い、焦げ付きや油汚れはスクレーパーや新聞紙で落とす。気になる人はぬれタオルで拭き上げるとキレイになります。
◆薪を束ねる針金や細かい炭のかけらを放置しない◆
薪を束ねる針金…(スウィートグラスでは現在取り扱っていませんが)ホームセンターで薪を買ってくる方はこの針金にご注意を。落とすとどこにあるのかわからなくなり、落ちているとペットや子どもの足に引っかかりそうで怖い…。
炭のかけらもよく転がっています。これが、拾うのが大変で…。
炭が自然に分解されるには時間がかかるそう。しかも、次の人のテントが汚れてしまうかもしれません。灰や炭はなるべく落とさないよう注意してくださいね。
▲ スウィートグラスでは、スタッフがサイトのゴミ拾いを行いますが、お客様自身でもチェックアウト時にサイト内にゴミが残っていないか確認をお願いします
まとめ:時間に余裕を持ってBBQを楽しんで
炭火は焚き付けにも消火にも時間がかかります。
全ての調理を炭だけに頼らず、チェックアウト日はガスコンロやシングルバーナーでパパッと済ませると片付けが楽。
1泊だと案外忙しいので、無理なく楽しく過ごせるように、時間配分の計画を立ててくださいね。
おまけ…暮らしの中心だった「炭」
ガスや石炭など化石燃料が普及する前、1960年代頃までは全国で積極的に木が伐られ、薪や炭として使用されていました。
スウィートグラスが位置する長野原町では、かつて炭焼きが活発に行われ主要な産業の一つだったそう。
▼ 山を歩いていると炭焼き窯の跡地をぽつりぽつりと見かける。
野生動物が闊歩する緑茂る山、60年以上前はどんな姿だったのか。
今では炭を使うと言えば、BBQのときくらいでしょうか。炭焼きをできる人もずいぶん減ってしまったようです。
そもそも、炭って何からできている…?(スウィートグラスで働くまでは考えたこともありませんでした)
炭は薪を炭化させたもの。薪はもともと山の一部。
▼ 薪がキャンプ場に来るまでをまとめた記事はこちら ▼
薪になるまで長い道のりがありますが、炭になるにはさらに長い長い道のりが。
▼ スタッフが書いた群言堂さんのコラム ▼
炭焼きも「持続可能な山とのおつきあい」のひとつ。
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参考:もっと知りたい人へ
炭生館:https://www.gsj-tanseikan.co.jp/charcoal/history/index.html
東京ガス:https://tg-uchi.jp/topics/3979
SGブログ「炭をつくる」:https://sgstaff.exblog.jp/25340829/
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