焚き火を囲んで 働くと生きるを語る『かこむ仕事百貨』

生きるように働く人のための求人サイト『日本仕事百貨』による、焚き火をかこむ合同企業説明会『かこむ仕事百貨』がTAKIVIVAで開催された。全国から個性豊かな12社が集まり、各企業が焚き火をブースに参加者と車座になって対話をする新しい試みだ。

来場者の多くが学生や若者。求人サイトに条件を登録して企業とのマッチングを試みるいわゆる就職活動に魅力や将来性を感じない。学んでいることが社会とどうつながるかが想像できず、コロナ禍もあって休学をしている。そんな声をたくさん聞いた。

きたもっくは北軽井沢における労働のあり方として、「働くことは生きること」を掲げてきた。地域の自然条件に従う労働は、暮らしや生きることと切り離されるものではない。地域の自然資源をエネルギーとし素材とし、自らが生きる舞台がそのまま人を迎えるフィールドとなる。

きたもっくが事業内容だけではなく、働くことや生きること、自然に対する姿勢「自然に従う生き方」などを発信し始めたのは、2013年の日本仕事百貨に掲載したナカムラケンタ氏による最初の求人記事がきっかけだ。入社するスタッフに変化が表れ、次第にこの地に根を張る定着が進んだ。以降、転換点となるタイミングで日本仕事百貨による求人記事を掲載し、それに合わせるように事業が多面的に拡大。従業員数も3倍近くに増えていった。

事業内容や実績がいくら魅力的に伝わっても、実際には厳しい自然に翻弄され、様々なバックグラウンドをもつ他者と共に働き生きなくてはいけない。企業は個が集合した組織体だ。企業の代表として参加した人も、来場者と焚き火を囲むうちに、代弁ではない自分の言葉を発していたように思う。企業と求職者という相向かう関係ではなく、焚き火を囲み同じ方向を見ることで、肩書を越えた人と人の関係が生まれていた。

冷たい雨のなかで始まり、浅間山がドラマチックに顔を見せた『かこむ仕事百貨』は、それぞれの働くと生きるへの想いに溢れ、気づきや新しい問いに満ちた場となり、私達にとっても余韻の残るイベントになった。