6次産業化の強みを活かした小型コテージ完成
一歩先の需要を捉え、地域の資源を活かしデザインする。マーケティングと資源活用を一貫してできるのが、きたもっくの強みだ。農林水産省による「6次産業化アワード」受賞後初となる、キャンプ場北軽井沢スウィートグラスの宿泊施設建築。強みを活かした2種類の小型コテージが完成した。
お風呂とトイレが設置されたコテージの人気の高さは長らく変わらないが、友人家族とのシェアや3世代キャンプなどの大人数利用に加えて、夫婦やカップル&ペットといった少人数による利用が増えてきた。それでも来場する8割が子供連れのファミリー層であるため、週末や連休には予約が集中してしまう。夫婦やカップルなど、比較的休みの自由が利くユーザー層へ平日利用を促したい。
キャンプ事業部で動向を分析した基本コンセプトが練られ、地域資源活用チームに渡されブラッシュアップされる。定員を 4 名までと少なくし小型化することで宿泊料金を抑えた、2 種類のコテージが導き出された。
ひとつは、建屋の前にテントを張ることができる、庭付きキャンプコテージ。コテージがあるから、安心して初めてのテント泊や冬キャンプにも挑戦することもできる。
ふたつめは、プライベートドッグランが付いたドッグコテージ。愛犬と過ごしたい、愛犬が喜ぶ姿が見たいという声に応え、前庭を宿泊者専用のドッグランとした。
両コテージともシンプルな平屋造りで、随所に地域の山から伐り出した立木を活用しており、山や森の気配を室内で感じることができる。家具としても遊具としても使える「すべり台ベンチ」(ヨッホーに付属)や、山の木の実を模したランプなど、遊び心も抜かりない。
データから需要をすくい出し、コンセプトを持って山に行き、立ち木にインスピレーションを受けて、地域の木を活かした宿泊建築にする。マーケティング、資源活用、場づくりを一企業の中で完結させたきたもっくの6次産業化だ。