循環型木材乾燥機の運転開始
2021年7月、自社開発した循環型木材乾燥機の運転が始まった。
きたもっくはこれまで、薪を地域内のインフラとして通用させるべく、高効率薪乾燥機を開発・運用してきた。北軽井沢の寒冷な気候では、一般的に2夏の乾燥期間を要するが、3ヶ月の予備乾燥と2日の強制乾燥によって含水率20%以下を達成。コスト面の優位性、供給安定性などを実現し、キャンプ場を中心に地域内へ供給している。
乾燥の仕組みを理解する中で、広葉樹材の合理的な乾燥技術に目処がついた。日本には広葉樹林が少なからずあるが、木との付き合いが疎遠になってしまった昨今では利活用されていないのが現状だ。地域内での製材・乾燥が可能となれば、地産材の価値も高められる。
新しい木材乾燥機は、薪製造や伐採現場から出る廃材を利用するドイツ製薪ボイラーを使用している。薪ボイラーの技術協力は岐阜の「森の仲間たち」だ。
乾燥室内壁には蓄熱断熱性能の高い素材を使用。薪ボイラーから流れる温水を張り巡らせ、適度な湿度を保ちながら低温で乾燥させる。排熱は、もう一つの山の価値化事業である蜂蜜の保温にも活用する。
試験乾燥している木材の乾燥具合は上々。これから、さらに詳しいデータをとりながら、本格稼働を目指す。