木材は森のかけら、樹種別の特徴を紹介!!お気に入りのモノコロを見つけよう
こんにちは、つぐつぐです。
木材はもともと緑の樹木だったはずなのに、もとの姿を想像しにくくありませんか?スウィートグラスの姉妹施設「あさまのぶんぶん」では、樹の伐採から製材、建築、木工、薪作りまで行います。森の樹木と、人の暮らしに寄り添う木製品、どちらも見ているからこそ知っているおもしろい話をぶんぶんスタッフに聞いてきました!
木が生きていた頃の面影を垣間見る
日常の中に「木」でできたものはたくさんありますが、使い勝手よく加工されているので、どれもまっすぐで、つるつるで、みんな同じ形に見える…。
モノになる前の「木が生きていた頃」の構造をおさえると、細かな違いが見えてくるかも?ポイントは大きく3つ。
生きてる辺材と生命活動を終えた心材
大前提として、木は植物、わたしたちと同じように呼吸する生き物です。木は外側(樹皮近く)で成長し、幹が太くなります。この細胞が活発な部分を「辺材-へんざい-」、成長が止まった中心部は「心材-しんざい-」と呼ばれます。
辺材は水分を多く含み、やわらかい。心材は水分が少なく硬い。心材は、大きく成長する木を支える役割を担います。
▼ナラとニレ、辺材と心材の差がはっきり

▼樹種によって辺材と心材がわかりやすい木、わかりにくい木それぞれ。水分量(乾燥具合)、蓄積物、腐りやすさなどで色味の違いが出る

年輪は四季と成長のあらわれ
幹が太くなるにつれ増える年輪は、成長速度の違いからできます。
▼光や水が豊富だと大きく成長(幅が広い)、少ないと成長は小さく密に
冬の成長は遅く、密になるので線のように見えます(夏のたくさん成長した薄い部分と冬の濃い部分合わせて1年=年輪)。年輪の間隔はその年の厳しさが出るので、じっくり観察してその木の人生(木生?)を想像するとおもしろい。
▼枝を取り込んだ跡も残る

道管(水を吸い上げる管)の太さと配列
人間に血管があるように、木にも水分や養分を運ぶ管があります。実際に機能しているのは、樹皮に近い部分ですが役割を果たしたのちも、管の跡が残ります。
▼よく見てみると丸い穴(道管)が見える

広葉樹は、水を運ぶ道管の配列が樹種によって異なり、手触りや見た目の印象が変わります。
環孔材-かんこうざい-太い道管が輪になって並ぶ(ナラ、クリ、ニレなど)
散孔材-さんこうざい-細い道管が散らばっている(カエデ、ホオノキ、シラカバなど)
▼環孔材は、年輪が出やすいので、くっきりとした印象でデコボコ。散孔材は、年輪が出にくく、やわらかい印象でつるつる

番外編
★乾燥(割れ)との戦い
鍋敷きなど、輪切りのモノコロにある切れ込み。

伐ったばかりの木は水分を多く含み、乾燥する過程で割れやヒビが出てしまいます。不規則な割れを防ぐためにあらかじめ「背割り」で対策。
▼意図的に溝を切る背割り、もとは1㎜程度の切れ込み。乾燥して広がりパックマンみたいな口へ(切れ込みを入れたばかりのニセアカシア)

★激レア!菌が織りなす不思議な模様「スポルテッド杢目」
▼ナラの鍋敷きに不思議な模様
年輪とは別の黒い模様……これは、腐朽菌が木の分解を進めようとした跡。傷から内部に入り込んだり、伐採して時間が経つにつれ周りから分解が進んだり。木から土に戻る過程を閉じ込めた、めずらしい模様です。
▼年輪とも異なる唯一無二の模様

★枝は堅いのでバードコールに向いている
枝にも年輪が出ます。枝も芽生えてから1年ごとに成長しますが、幹ほど太くならないため、密で硬い!!
バードコールは摩擦で音を鳴らすため、やわらかい木は適しません。枝はバードコールにうってつけ。
▼枝だと小ぶりで乾燥しやすいので樹皮つきが多い、表情豊かで森だった頃が見えやすい

▼もともと堅いナラやクリは枝以外も使える(油が多いシラカバはすべるので向かない)

★製材カットの仕方で木目が変わる(輪切り、板目、柾目)
▼輪切りは年輪を数えやすい、辺材と心材の色の違いがわかりやすい
▼板目-いため-年輪に対し平行に切ったもの、波のような木目

▼柾目-まさめ-中心部から放射状に切ったもの、規則正しい木目

場内で見られる樹種の特徴
実際のモノコロに使われている木の、森だった頃とモノになった後の特徴を紹介します。
※種を見分けることにこだわらず、それぞれの違いに目を向けてみよう!重要なのは、じっくり見て考えること。細かく観察することで、思いもよらない発見や自分の好みが見つかりますよ。
ミズナラ
◆樹木特徴
どんぐりがなる木。樹高20~30m、樹皮は縦に大きな割れ目が入る。密度が高く重いため、火持ちが良い。薪炭として親しまれ、今でも北軽井沢に多く自生する。

◆キャンプ場内で見られる場所
林間エリア、おしぎっぱの森
◆材の見分けポイント
心材が濃く辺材は白い。道管は大きく、年輪がはっきり見える。ずっしりと重い。環孔材。

カツラ
◆樹木特徴
ハート型の葉っぱは乾燥すると甘く香る。果実はミニバナナ。日本の固有種で、古事記や万葉集にも登場する。加工がしやすいため、古くから仏像や彫り物に使われる。


◆キャンプ場内で見られる場所
木立エリア、おしぎっぱの森(ジェロニモの滝に大木があるよ)
◆材の見分けポイント
ほんのり赤っぽく、やさしい見た目、触り心地はさらりとしている。木目ははっきり。散孔材。
ホオノキ
◆樹木特徴
人の顔より大きい葉っぱ、梅雨時期に咲く白い花も巨大。実も独特。葉っぱは朴葉味噌など食べ物を包んだり、お皿代わりに。やわらかい材質のため、刃を傷つけないように日本刀のさやに使われていた。
◆キャンプ場内で見られる場所
トレーラーコテージ近く、おしぎっぱの森
◆材の見分けポイント
ほんのり緑、触り心地つるり。木目は細かく均一。軽い。散孔材。

ニレ(ハルニレ)
◆樹木特徴
葉は細かいギザギザで左右非対称。樹皮は細かい縦の裂け目が入る。樹皮の繊維から縄を作れる。薪にするときは、繊維の絡まりが強く割りにくい。

◆キャンプ場内で見られる場所
トントゥDog前、ドッグガーデン横、林間サイト、おしぎっぱの森(ジップラインの柱の木だよ)

◆材の見分けポイント
心材が濃く辺材は白い。道管は大きく、目視で穴がわかるほど。年輪も明瞭。環孔材。

カエデ
◆樹木特徴
モミジ・カエデ類の総称(材としてはイタヤカエデが一般的)。手のひらみたいな葉っぱ。つるりとした樹皮、プロペラみたいな実。紅葉が美しい。ほどよい硬さで家具、スキー板、フローリングなどさまざまな用途に使われる。
◆キャンプ場内で見られる場所
B/X/Y/Gサイト(場内全域)、おしぎっぱの森
◆材の見分けポイント
木目がきめ細やかで、触り心地なめらか。全体的に白っぽく、年輪は目立たない。散孔材。

シラカバ
◆樹木特徴
冷涼な山地に生える。おにぎりのような三角な葉っぱ。樹皮は白く、はがれやすい。油が多く、樹皮は即席の着火剤になる。

◆キャンプ場内で見られる場所
管理棟付近、おしぎっぱの森

◆材の見分けポイント
白っぽい、さらり。軽い。木目は目立たない。散孔材。
クリ
◆樹木特徴
おいしい秋の味覚。樹皮は長く縦に裂け目が入る。細長く、平行にそろった葉脈の葉っぱ。梅雨時期にブラシのような白い花が咲く。はちみつの蜜源植物。タンニンを多く含み、水や虫に強いため古くから枕木や建築土台などに使われていた。
◆キャンプ場内で見られる場所
おしぎっぱの森

◆材の見分けポイント
木目は鮮明。目視でもはっきり見える大きな道管が年輪にそって並ぶ。環孔材。

サクラ(ヤマザクラ)
◆樹木特徴
春に咲く。樹皮は赤みがあり、横に縞模様が入る。
◆キャンプ場内で見られる場所
FDS1、おしぎっぱの森
◆材の見分けポイント
ほんのり赤み、触り心地さらりとなめらか。年輪は目立たない。散孔材。

★場内にはないけどケヤキ・クルミ
ケヤキ:赤みがかった色、年輪はっきり、環孔材。日本を代表する広葉樹の1つで、大木が多い。建築の柱や梁、家具など幅広く活用されている。
クルミ(オニグルミ):少しくすんだ色。散孔材にしては年輪がはっきり出る。
まとめ
お気に入りの木を探してみよう!!場内をお散歩して見つけても良いし、モノコロから見つけても良い。それぞれの個性を知ると、発見がありおもしろい!!
▼葉っぱにも個性があっておもしろい(左上からホオノキ・ニレ・サクラ・ヤマボウシ・シラカバ)

樹種を見分けることにこだわらず、それぞれの違いに目を向けてみよう!名前を覚えることは重要ではありません。大切なのは、違いを見分ける観察力と、どうしてそうなったかを考える想像力。それぞれの個性に目を向け、好みを知ることで世界が一段と広がります。(覚えて見分けられるようになると、親近感が出て友達が増える感覚になるので、詳しくなってきたらチャレンジしてみよう)
材を見るポイント
・見た目(年輪の模様、色味、形)
年輪の出やすさ(濃いめ?やさしめ?)
色味(白・赤・濃い茶・黄・緑)、中心部と外側の違い
・触り心地(デコボコ?つるつる?)
・重さ、堅さ(ずっしり堅い、軽くやわらかい)
「あさまのぶんぶん」では、製材に適さないような木も含めて、伐った木の第二の人生(木生?)を模索しています。伐っておしまいじゃなく、伐ったからには最後まで活かしたい。
「モノコロ」は、キャンプだけでなく、おうちでも活躍してくれます。木漏れ日や落ち葉の香り、大きな枝振りとそよぐ風……私たちとは違う時間軸を生きるものたち。すぐそばの自然に悠久な時間があること。その存在を知っているだけで、豊かな気持ちになれるはず。忙しい日常のふとした瞬間に、北軽井沢の森を思い出して息抜きしてくださいね。
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