既存の領域を越える社内複業


ルオムの森で、アーボリストトレーニング研究所®/ARBORIST TRAINING INSTITUTE®によるアーボリスト講習会が開催された。対象者は林業や造園、電気工事等の関係者で、樹上作業の基礎トレーニングとリスクマネジメント等を実践形式で学ぶ。きたもっくからもキャンプ場のメンテナンス全般を行うスタッフと、キャンプ場から樹木に関わる業務へと仕事の領域を広げたスタッフの2名が参加した。

組織の分化と統合を繰り返す

きたもっくはキャンプ場を中心としたフィールド事業から地域未来創造事業体への変革を目指すため、専門性の高い新しい事業(地域資源活用事業)を立ち上げた。スタッフにも新たな知識やスキルが求められ、結果として組織の分化が行われてきた。

フィールド事業、地域資源活用事業それぞれのアウトラインが固まり、相互に影響し合うがことが可能になってきた今、改めて組織の総合へと舵をきり、事業間の相乗効果による新しい産業の創出を目指している。
そのきっかけとなるのが、事業部の垣根を越えて複数の業務に関わる社内複業の推進だ。

既存の領域を越える社内複業


講習会に参加したスタッフは、キャンプ場のスタッフとして採用され、接客やバックヤード業務を行ってきた。自然を活かしたキャンプ場は、頭上の樹木や地面のメンテナンスが欠かせない。
アーボリスト講習会を受け、場内の樹木メンテナンスを自分たちでも行い、ゆくゆくは山林等での伐採作業にもマルチに関わっていくことを目指している。
きたもっくの根幹を支えている薪の製造や、循環事業の象徴である蜂蜜の製造も、様々な事業部のスタッフが専属のスタッフと一緒に行っている。

社内複業は始まったばかりで互いの業務理解をすすめている段階だが、各スタッフの仕事や事業の領域を越えたフィードバックが行われ、新しいアイデアが自発的に創発される組織に成長することを目指している。

何でもやる文化


現代社会は、自分がやるべきことだけをやれば良いという、高度に分業化された社会システムによって支えられている。
だが、地方では自分で何でもやることが今でも文化として残り、それを肯定することで新しい仕事や産業が生まれるのではないか。
それは会社だけでなく、個人の姿勢にも当てはまるだろう。