夏に育つ子どもたち②
「TAKIVIVA」に灯る、未来のひかり

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地域に開かれるTAKIVIVA(タキビバ)

きたもっくが運営する宿泊型ミーティング施設「タキビバ」は、社員研修などビジネスユースが主流だが、地域の人々にも様々に活用されている。夏休みに入って間もない日曜日の昼下がり、赤ちゃん連れから小中学生、シニア世代まで50名ほどが集まり、住民主催の「まきばの会」が開かれた。

今年で4年目を迎える会は、地域の子どもたちの居場所づくりとしてはじまった。基本的に、毎月最終日曜の朝10:00から昼過ぎまで。いつもは浅間牧場でゆるやかに開催されているが、タキビバでのデイキャンプが夏の楽しみとなっている。中学2年生になるひかりちゃんは、初回から参加。一昨年のキャンプでは、大雨の中びしょ濡れになりながら水路を掘ったのが思い出と笑う。

「まきばの会」発起人は、きたもっく代表の福嶋明美さん。子どもたちにはダメと言われない、大人たちにもダメと言わない時間を過ごしてほしいと語る。ルールを決めなくても、子どもたちの中で自然に決まりごとや役割分担が生まれてくるそうだ。広場全体がゆるやかにくぼみ、どこにいても見渡せるタキビバは、子どもを遊ばせるにも最適だという。

ハプニングから生まれる思い出

「毎回ハプニングが起きて、それがみんなの心を近づけるの」…明美さんの言葉を早速思い起こす事件がおきた。女の子が「みてみて~」と私の手を引っ張っていく。石貼りの炎舞台に、キュートな猫のイラスト。思わず「可愛いね!」と声がでた。焚火炉に残っていた木炭で描いたのだ。なんてクリエイティブ!感嘆と動揺にふるえる私を尻目に、子どもたちの行動はどんどん大胆になり、舞台は巨大なキャンバスと化した。

「ダメと言わない・言われない時間」という言葉の前に、どうすべきか考えあぐね、タキビバ・スタッフに相談してみる。彼は仏のような笑みで「みんなで現状復帰できるといいですね」。会を運営するさおりさんが「消すまでがアート活動」と号令をかけてくれた。みんなが紙コップやペットボトルで水を運んでくると、あっという間に綺麗になった。

まきばの会

「タキビバ」が出来る前、地鎮祭をした日のことを思い出す。まだ何もない野っ原に、こんなシーンが生まれることを誰が予想しただろう。「未来発火点」というキャッチコピーを、肌で実感できたことが嬉しい。