除雪作業に見る きたもっくの素

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雪が数センチ積もれば、不慣れな人は往生する。北軽井沢の冷え込みは時として札幌にも勝るが、積雪量は多くない。10〜20センチ程の積雪が、12月から4月まで(年によっては5月の連休頃まで)見られる。豪雪地帯のような積もり方はしないが、除雪は欠かすことができない。

それを担うのがフィールド事業部の「維持管理チーム」だ。彼らは人々が起き出す前の、まだ暗い時間帯に出勤する。困る人がいないように雪をかいて、道路を整備する。日常の維持は、言うは易し行うは難し。不便を感じずに過ごせるということは、彼らがきちんと仕事をしてくれるからだ。

このチームは、除雪以外にも社内の水道や電気関係の補修工事も行っている。どの作業も重要性は高いのに目立たない。受け持つ作業は多岐に渡る。特定のスタッフが持つ専門知識に頼ってきたが、熟練工のようなスタッフだって年はとるし、担当者が怪我や事故で倒れたら即座に困ることになる。維持管理の名にかけてそれは回避したい。安全性や効率性を考えればチームの誰もができる方がいい。

除雪が一段落したチームのサブリーダーに話を聞いた。

「生真面目に仕事をこなしていたら、時間はいくらあっても足りない。もっと良くできないか、うまいことやって楽ができないか、現場をよく見て抜け目なく考える。本気でやると、サボれる時間ができる。」と言って笑う。

そうして絞り出したサボる時間を、技術の引き継ぎや、経験や勘に頼らないデータ化に充てていく。もっと楽に仕事ができれば、イレギュラーな事態にも対応できるようになるし、ゆくゆくはイレギュラーを減らしていける。

チームが表立って接客する機会はなく、利用者の笑顔を直接見ることはほぼない。本当はもっと注目を浴びたいが、フィールドを存分に楽しんでもらうことで、いい印象が残るならば、それでいいと思うようになった。巡り巡った大きな意味で注目を浴びられれば、という。

目立つ舞台でなくとも、場づくりにコミットしている。こんな躍動感がきたもっくをつくっているのだ。