一本の木が何冊分もの教科書になる
軽井沢風越学園で伐採〜製材までのプロセスを辿る授業

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風越学園の伐採スタート

軽井沢風越学園で、学園内の支障木の伐採を行い、製材し板へと加工するまでのプロセスを辿る特別授業を行った。山の上流から下流まで一気通貫する強みを活かした、きたもっくらしいプログラムだ。

授業当日、浅間山を望む学園の敷地に、3歳から15歳までのたくさんの子ども達が集まってきた。強制ではなく自分の興味に従ってそれぞれが参加し、事前に聞いていた人数よりもかなり多かった。

これから伐るナラの木は、枝先を見るとすでに立ち枯れていて、このままでは近くで遊ぶ皆に危険が及ぶかもしれないことを説明。木のまわりに酒と塩を撒く御清めの儀式を行い、チェーンソーのエンジン音が動き出すと、全員に緊張の時間が流れた。どし〜ん!という大きな音と地響きで木が倒れると、自然と子ども達から大歓声があがった。

伐採した木で楽しむ子ども

倒れた木に集まり、チェーンソーの跡が残る木のかけらを集める子や、断面を数えて樹齢を確かめる子、熱心に伐採したスタッフに質問をする子。いつの間にか伐られた木に子どもたちが登って、自然のままの遊具になっていた。

あさまのぶんぶんファクトリーで製材

伐られた木はあさまのぶんぶんファクトリーへ運ばれ、製材の見学には子どもだけではなく保護者も参加した。年輪から学園の木がどんな育ち方をしてきたのか、この木を活かすにはどんな製材方法が良いのか、木が乾燥するメカニズムまで、大人でも専門的と感じるような説明を熱心に聞いていた。ボイラーで燃やされるのを待つ端材をお土産に抱えて、特別授業は終了。今後、製材された板は多様なサイズに加工され、子ども達の創作の素材として活用される。

想像と創造、そのきっかけを示す

ものをつくったり、なにかを考える際、出発点となるものがある。例えば、スーパーに並ぶカットされた食肉から日々の献立を考えるように。用意された素材からものごとを考えるのはとても楽だが、自分の内から生まれてくる本当の「したい」に出会うのは難しい。

いつも見ていた木が目の前で伐られ、板や薪などいろいろな形に加工されるのを見た経験は、子どもたちの新しい発想の出発点となるかもしれない。ホームセンターや森を見る目が変わったという子どもの声もあった。

加工してみよう

後日、伐採をしたスタッフが、子どもや先生達が自分たちの仕事をカッコいいと言ってくれたことがとても嬉しいと話していた。山の中での彼の仕事は人目にあまり触れない。大人のほうが子どもに勇気づけられた。学園の子どもたちは自分たちで未来をつくる。その出発点には、私達大人の仕事がある。

▼風越学園のご紹介(HPより抜粋)
どんな子どもにも幸せな子ども時代を過ごしてほしい。遊びが学びへとつながっていく、この人間の自然な育ちを大切にした学校をつくりたい。そうした思いをベースに私たちは、3歳から15歳までが一つの校舎で学ぶ「軽井沢風越学園」を2020年4月に開設しました。(中略)
自分はどんなことに幸せを感じるのだろうか、また自分以外の一緒に生活する仲間や生き物・自然を含めて、幸せになるってどういうことだろうか、と考え続けてもらいたいという願いがあります。
https://kazakoshi.ed.jp/