きたもっく仕事図鑑25
チェックインまでに施設をキレイにする仕事

スウィートグラスのコテージ・キャビンは全部で50棟!チェックアウトから次のチェックインまでに、きれいな状態に戻す役割を清掃チームが担っている。

スウィートグラスの清掃は、来場者アンケートでも常に高評価を受ける自慢のチームだ。平均年齢は65歳ほど(最高齢は81歳!)、10年以上長く勤めてくれているスタッフも多い。

きれいな状態を保つことは、目に見えた変化は少ないかもしれないが、日々、誰かがやらないと成り立たない。直接的な売り上げはないので、成果が見えにくい仕事だが、来場者の満足度を上げるとても重要な業務だ。

コテージ・キャビンのチェックアウトは10:30まで、チェックインが14:00から始まる。清掃のコアタイムは約3時間。時間内に終わらせなければならない緊張感のなか、効率良くスピーディかつ丁寧に清掃を行う。若者でも筋肉痛になるほど、全身を使うハードワークをこなす。

キャンプ場は9月に30周年をむかえた。すなわち清掃にも30年間のノウハウが蓄積されている。例えば、移動による時間のロスを減らすために清掃に入る棟の順番が決まっていたり、薪ストーブやBBQグリルは灰が舞うため一番最初に取りかかったり。人によって得意不得意があるので、それを考慮したチーム編成を組んだり…なるほど!と関心する、先回りした配慮がそこかしこにある。

11月25日(月)の清掃表(誰がどこを担当するかの作戦リスト)事前に策を練ってもレイトチェックアウトや部屋の使用状況により、作戦通りに行かないことも…この日は3人で9棟を担当する班もあり、ギリギリだったそう。土日関係なく平日でも緊張感がある。
清掃中は同じ班のメンバーの動きを意識してフォローしたり、先に終わった班が他の班を助けに行ったり。自然にお互いをフォローし合う、当たり前にやっていることがすごい!

10年前からくらべ、コテージは13棟も増えた。対して、長く勤めてくれているスタッフは毎年1歳ずつ年を重ねる。夏は暑く体力が削られ、冬の雪の中での清掃も、以前に増して一段とキツくなってきた。クオリティは維持しつつ、時間内に終わらせるにはよりさまざまな工夫をこらす必要がある。今までのノウハウは活かしつつ、新しい取り組みにもチャレンジしている。

1棟の清掃を分解すると、キッチン・風呂・トイレ・フロア・薪ストーブやBBQグリルなどの灰関係に分けられる。昔は1棟ごとに全て終わらせてから次に取りかかっていたが、現在は細かく切り分けて分業している。清掃スタッフだけでなく、スポット的に管理棟スタッフが風呂掃除だけ手伝ったり、コアタイムを待たずにチェックアウト後すぐに灰関係だけ先行したり。

お客様へご協力いただくことも出てきている。コテージに備え付けだった備品の一部(毛布など)を管理棟貸し出しへ変更し、備品をきれいにする作業は管理棟スタッフが担う。最近では、チェックアウト時に確認するリストを作成し「使ったシーツは入り口近くにまとめて」「カギは開けっぱなしで」など、細かなことだがやってもらえると清掃の時間短縮につながることを明記した。

案内ファイルに入れる予定のチェックアウト確認リスト:ご来場の際は、チェックアウト時刻の厳守にご協力をお願いします

30年の中で、人手が少なかったころは予約受付もフロント業務も清掃も、全員で行っていたが、規模が大きくなるにつれ、分担、それぞれに特化したチームに分かれていった。それが今になってまた、それぞれ専門の業務がありつつも全ての業務を把握できるように、協働の流れが出来てきた。違う視点で場内を見ることで、課題に気づくことが出来たり、お客様がどんなすごし方をしているかを知るチャンスにもなる。

清掃チームだけではなく、カスタマーやフロントスタッフ……キャンプ場スタッフ全員が清掃を出来るように試みている。

快適に過ごすにはどうしたらいいか?その人の立場で考えるには知ることが必要。お客様へ対しても、働く同僚に対しても。自分だけではなく、いろんな人の立場を想像できるように、お互いのことを知ることで相手を思いやることができる。

清掃は、チームプレー。全員野球で時間内に仕上げる。少しずつの思いやりが続いていくことで、働く人も来場者もキャンプを楽しむ環境を一緒に守れるとうれしい。

是非、テント泊だけでなく、コテージ・キャビンで過ごす冬の北軽井沢も体験してほしい。もちろん、清掃チームがキレイにしてお待ちしております。