2026年 年頭所感
協働から生まれる私たちの笑顔

あけましておめでとうございます。2026年の幕開けです。
新年といえど、混沌とした世界情勢に加えて、停滞と分断がもたらす不安な気分が日本中を漂っています。誰一人避けて通ることができない歴史の転換点を示す歯車が回り始めているのです。(私は昨年、一昨年の年頭所感でジャガーノートに押しつぶされると表現しました)既存の秩序が崩壊するきしみ音です。
私は思うのです。この時代にこそきたもっくは力を発揮できると。ルオム(自然に従う生き方)理念を掲げるきたもっく事業体は、その真の実力を示すときが来たのです。萎縮するどころか、チャンス到来です。
2026年は生成人工知能(AI)が社会の隅々に浸透すると言われ、そうした未来図が描かれています。しかし、この未来図は深刻な危うさをはらんでいます。その危うさは人々の豊かさを問う設問の中にあります。AIと機械工学(ロボット)が作り上げる変化と人間社会の豊かさがどのように調和するのかという課題です。
生成AIは社会の構造を変える情報技術として、これまでクリエイティブな仕事と言われてきた分野・・・事務処理(文書、数字管理)や画像、動画の制作・加工、情報や知識の体系をいとも簡単に整理し、表現の幅を広げます。限定・制約を理解した正確な「問い」を持つことができれば、瞬時に「解」を導くのです。これによって教育や学びの分野でもその形態は大きく変化することが想像できます。経営の分野でも同じことが言えます。従って、社会構造の激しい変化が生まれ、不要となる“仕事”や“職種”が大量に発生するのです。知ったかぶりの知識人やコンサル、気どったデザイナーやマーケターなど必要なくなるのです。私はこの変化を社会の進歩(合理化)であると考えています。
私たちはきたもっくのコンセプトブック「未来は自然の中にある」(2018年発行)の最終章で、生成AIと“誇りある労働”の組織化について述べました。“生成AI(人工知能)の技術的発展によって、現代社会の過半の産業や事業所の消滅が予想されようが何も恐れることはない~働く場など自然の中にいくらでもある”と喝破し、むしろ急ぐべきは未来を指し示す“誇りある労働”が組織されるか否かにかかっていると宣言しました。
まずは「仕事」というよりも“誇りある労働”にあります。人間は自然に手を加える労働によって、社会に有用な製品やサービス(商品)を作り出します。社会は生産的労働と消費(個人的消費だけでなく、生産に基づく消費もあります)によって成り立ち、きたもっくは良質で意味のある製品(サービス)を商品として提供するのです。誇りある労働の組織化は分業に基づく「仕事」の形を取って分類され表現されます。私たちはもっとたくさんの「仕事」を作り出します。場作り事業、林業、農業、そして暮らしとライフスタイルに関わるサービス(商品)・・・・これらは「誇りある労働」の組織化によって生み出される成果物です。そして何よりも大切な成果は、労働と協働の喜びを互いに確認し合う関係性にあります。そこに生まれる躍動の証は「笑顔」なのです。私たちの笑顔は多方面に伝播し、職場は心からの笑顔を作り出す大切な機能を持つのです。だから働く場(職場)は私たちにとって大切です。
誇りある労働の組織化はローカルな地域特性を生かした上での持続循環をイメージし、デザインすることで、より現実的で美しい事業形態を選択することが可能になります。これはきたもっくの近年の到達点ですが、次の段階は更に外に拓かれた事業構想を築き上げることになります。
笑顔を作り、伝播するきたもっくは今年も出産ラッシュです。
2026年元旦
福嶋 誠