どんな虫がいる?春~秋キャンプで気をつけたい虫(ブヨ・蚊・アブ・ハチ・マダニ…)対策

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キャンプ場スタッフのつぐつぐです。

寒さが緩まると本格的なキャンプシーズンが始まりますが、さまざまな「虫」も活発に。今回は、キャンプで気をつけたい虫の種類と対策について紹介します。

(2022年5月14日に公開した内容を再編集しました)

定番の刺されたらかゆい虫

吸血する虫の置き土産は、かゆみと腫れ。かゆくても「かきむしらない」のが鉄則です。

出現頻度:多い
刺されたら:少しかゆい
活動期:4~11月頃(活発なのは5~10月)

ブヨ(ブユ・ブト)

出現頻度:川辺・森に多い
刺されたら:腫れ・かゆみ
活発な時期:5月中旬ごろから梅雨時期の朝・夕

刺されると体質によってはパンパンに腫れ、1週間ほどかゆみが続きます。3~5mmと小さく羽音もしないため、気づきにくいです。参考:YAMA HACKブヨ

アブ

出現頻度:暑い日に多い
刺されたら:腫れ・かゆみ
7・8月の日中に活発な印象、刺されるとチクッとした痛みがあり、体質によってはパンパンに腫れます。

大きな体でブンブンと羽音が大きいため、ハチによく似てます


▲ ハチとの見分けポイントはハエのような大きな目

温度や二酸化炭素に反応するのか、エンジンのかかった車に寄りやすいです。

番外編

【 ヌカカ 】

スウィートグラスではあまり見かけません。1ミリ程度の小さい虫。刺されるとチクンと痛みを感じ、のちにかゆみが出てきます。湖や川など水辺の近くに多い印象。朝・夕はとくに要注意。参考:YAMA HACK

【 ヒル 】

スウィートグラスでは吸血性のヒルは見たことがありません。湿気の多い場所に多く、かまれると血が止まりにくくなります。参考:YAMA HACK

ハチ:痛い、腫れる

刺されると痛みがつよく、人によってはアレルギー反応を起こすことがあります。基本的に巣が近くになければ積極的に攻撃してくることはまれです。

ミツバチやスズメバチなど種類によって攻撃性が異なりますが、特に注意が必要なのはスズメバチ

スズメバチ
2017年9月8日撮影

スウィートグラスで見かけるのは、5~11月

5・6月は女王バチが巣作りを進める時期らしく薪ストーブ内に迷い込む事が多いです。炉内に異常がないか確認してから扉を開けてくださいね。

夏・秋は働き蜂が活発にエサ集めをする時期、虫が中心ですがお肉にも寄ってきます。食材を外に出しっぱなしにしないよう注意が必要です。

秋には木の実も食べるようで、スウィートグラスでは、ヤマボウシやイチイの実の周りでよく見かけます。

ヤマボウシを食べるスズメバチ
ヤマボウシ2016年9月8日撮影

 

イチイを食べるスズメバチ
イチイ2018年9月6日撮影

樹液やジュースの飲み残しなどにも寄ってくるので、ゴミ袋のなかに入っていることも。気づかずにハチに触ってしまうと刺されるので、食材やゴミの管理は慎重におねがいします。

たいてい、幼虫のごはん集めや自分の食事をして帰るだけなので、必要以上に怖がる必要はありませんが、手で追い払ったり不用意に近づいたりしないよう気をつけて

巣が近い場合は積極的に攻撃してくことがあるので注意が必要です。

スズメバチの巣
2018年9月6日撮影

巣らしきものを見かけたり、壁の隙間にハチが出入りしている場所を見かけたらスタッフまで教えてください

ブヨ・アブ・ハチにはポイズンリムーバー

刺された直後(2分以内)であれば「ポイズンリムーバー」が有効です。腫れてから刺されたことに気づいた場合、冷やすとかゆみが少し和らぎます

マダニ:気づいたらそこに居る恐怖

厳密には虫ではありませんが、山間部に行くなら存在を知っておきたいのが「マダニ」。SFTSやライム病など感染症を媒介することがあるため刺されないよう注意が必要です。

シカやイノシシなどの野生動物に吸血、一緒に分布を広げている印象です。スウィートグラスでマダニに刺された被害は今のところ出ていませんが、おしぎっぱの森に野生動物は出るので、マダニが居てもおかしくありません。

おしぎっぱの森上流にいたシカ、2021年3月18日撮影

笹藪に潜んでいることが多いので、ガサガサと道なき道を分け入って歩かないよう気をつけて。

体に付いてもすぐには刺さず、やわらかい部分(首や脇の下など)を探して歩き回ります。わんちゃんに付くことが多いので散歩の後はマダニがついていないかチェックをしてあげてくださいね。

もし、刺されてしまったら…充分に吸血するまで1週間ほど離れません。無理に離そうとすると口器が残ってしまうことがあるため、皮膚科で見てもらうことをおすすめします。

血を吸ってパンパンに膨らんだマダニ
血を吸ってパンパンに膨らんだマダニ

参考:国立感染症研究所「マダニ対策

触ったら炎症を起こす虫

毛が刺さるイラガや毒液を噴射するヒメツチハンミョウ、アオカミキリモドキなどなど…昆虫採集をするお子さんは触ると危険な虫を覚えておくといいですよ。

▼ こちら参考に:アース製薬「キケンな虫の虫ケア図鑑

服装、虫除けで基本の対策

アブやハチは黒い服に寄ってくる傾向があるので、明るめの服装が好ましいです。肌が出ている部分は、虫除けスプレーを。

夜は、明かりに寄ってくる習性があるため「強めのガソリンランタンは食卓の外に、テーブルの上は明かりの弱いランタン」など、工夫をしてくださいね。
▼ 虫除けグッズを忘れてしまったら、売店でも販売しています

夏に昆虫採集を予定している人は、昆虫トラップをかけっぱなしにしないでください。ハチを誘引する原因になりますし、ゴミのポイ捨てと同じになります。責任を持って回収を。
▼ おしぎっぱの森に放置されたトラップ、2017年7月10日撮影

番外編:危険性はないけど困る虫

アリ

5・6月は、巣をつくり数を増やす時期なのか、施設内に入ってくることがあります。雨上がりの日は特に発生しやすく、お困りのことはスタッフまでお声かけ下さい。

アリのえさになるような食べかすやジュースの飲み残しなどを施設内、サイト内に落さないようにご協力をお願いします。

5月限定)白いふわふわ

「ウワミズザクラキジラミ」という一風変わった虫が5月中旬~6月中旬ごろ見られます。主食はウワミズザクラの葉っぱ。少しベタベタする樹液を下に落とします。※毒はなく、水洗いで落ちます。

ウワミズザクラキジラミ
白いふわふわを身にまとった幼虫、2016年5月28日撮影

まとめ:虫も自然の一員、存在を知って対策を

クワガタやハルゼミ、ルリボシカミキリなどなど見て楽しい虫もたくさん。

スジクワガタ、2020年6月3日撮影
エゾハルゼミの抜け殻、2017年5月30日撮影
エゾハルゼミ成虫2021年6月9日撮影

花の受粉に一役買っていたり、育ち盛りの小鳥たちの主食になったり、虫も大切な自然の一員です。

シモツケの花とミツバチ、2015年7月15日撮影
口いっぱいに虫をくわえたクロツグミ、2021年6月28日撮影

アウトドアは楽しいだけじゃない、リスク管理もキャンプのうち。

しっかり準備をして、自然を楽しみに来てくださいね。

キャンプ場北軽井沢スウィートグラス
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