天気や気温ごとの服装・持ち物、天気予報の調べ方についてキャンプ場スタッフが解説!
キャンプ場スタッフのつぐつぐです。
キャンプに行って「意外と寒かった…持ってくる服、失敗した!」という経験ありませんか?今回は「何着ていったらいい?」「キャンプ場の天気予報ってどこを見たらいいの?」などの疑問について解説していきます。
(※2022年4月5日に公開した内容を再編集しました)
キャンプに行かずにキャンプ感を養う方法
スノーピークさんのインスタに「野遊びレシピ|URBAN OUTDOOR」という投稿があります。
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「10℃って寒いの?あったかいの?」ぱっと思い浮かびますか?
普段から気温を意識して生活している人って数少ないと思います。でも、アウトドアにはすごく重要な感覚のはず。
「天気予報を見て天気と気温に意識を向けてみる」のは普段からどこでだってできること。アーバンアウトドアだなと思います。
まずは「今日は何℃でこれくらいの服装でちょうどいい」を意識して見ましょう。その経験が基準となり、キャンプでの服装がイメージしやすくなります。
気温と服装・寝具・暖房の目安
普段の生活とキャンプの違うところは「テント泊=ずっと屋外で過ごす」ということ。普段、屋外に居るときは歩いたり運動したり、動いていることが多いですが、テント泊では、ごはんを食べたりコーヒーを飲んだり「くつろぐ」時間も多いです。だから、重ね着で温度調整(脱ぎ着しやすい服装)が基本になります。
気温ごとの服装・寝具・暖房有無の目安を載せておきます(個人的見解)。自分の経験とすりあわせて参考にしてくださいね。
◆18℃以上
暖房:不要
服装:半袖では肌寒いので長袖は必須
寝具:夏用寝袋
◆15~17℃
暖房:なくても過ごせますが、肌寒いです。
服装:薄手の長袖だけでは寒いので、フリースや軽めのダウンなどがあると安心。
寝具:夏用寝袋しかない人は、タオルケットや毛布を追加。
◆10~15℃
暖房:なくても過ごせますが、寒いです。(小さなお子様が居る方はあった方が良いかも)
服装:フリースや軽めのダウンなど防寒具があると安心。
寝具:夏用寝袋のみは寒いです。毛布を追加したり、3シーズン用の暖かめの寝袋を使ったりしてください。
◆10~6℃
暖房:ほしい。(ない人は服装でカバー)
服装:フリースやダウン。日中気温が上がらないのであれば、ヒートテックなどあたたかいインナーを着る。
寝具:3シーズン用寝袋に毛布など追加する。
◆5℃以下
暖房:ほしい。(ない人は服装でカバー)
服装:フリースやダウン。ヒートテックなどあたたかいインナーを着る。足も冷えるのでダウンパンツや暖パンなど上から重ねて履ける1枚があると安心。帽子・ネックウォーマー・手袋も忘れずに。
寝具:マイナス対応の寝袋かホットカーペットや湯たんぽがあると安心。氷点下になる場合、マットを重ねたりコットを使ったり、底冷え対策も重要。
◆これよりもっと寒い、終日氷点下や-10℃を下回る日(スウィートグラスでは11下旬~4月上旬ごろ)については長くなるのでこちらを参考に。
お守りの追加の1枚が大切
天気予報はあくまで予報だし、日差しの有無とか風が強いとかで体感温度は変化するもの。お守り代わりにブランケットがあるとより安心です。肩にかければ防寒に、寝袋の中に入れればあったか寝具として使えます。
天気と気温の調べ方
標高が高いと寒い
登山する人にとっては常識ですが、標高が高いと気温が下がります(100mごとに0.6℃下がると言われている)。スウィートグラスは標高約1150mに位置するので、標高0mとくらべ約7℃低いことになります。
▲ 参考:ファイントラック「登る前に知っときたい山の知識」
街外れは予報と誤差が出る
天気予報をwebサイトやアプリで調べると一般的に市区町村が最小単位の予報になります。
スウィートグラスは、住所「群馬県長野原町」ですが、かなり端っこに位置します(街中から車で20分かかる)。中心部との標高差は約350mあるので、2℃くらい温度差が。天気も気温も市区町村単位の予報では誤差が出ます。
最近は街中にあるキャンプ場も増えていますが、中心部から離れていたり、標高が高い場所にあるキャンプ場へ行く場合は注意が必要です。キャンプ場が推奨するピンポイント天気予報を見たり、地図でどのあたりに位置するのか、事前に下調べをしておくといいですよ。
おすすめ天気予報サイト
天気予報は2サイトほど見て総合的に判断すると想定しやすくなります。スタッフがよく見るのは「ウェザーニュース」と「天気.jp」と「GPV気象予報」。
>>>weathernews http://weathernews.jp/
気温はウェザーニュースの「北軽井沢スウィートグラス」ピンポイント天気が最も誤差が少ない印象です。天気と風速は若干大げさな印象、GPVと合わせて確認しています。
>>>GPV気象予報 http://weather-gpv.info/
より詳細な情報を知りたい場合、雨雲レーダーや風速を見られる「GPV気象予報」がおすすめ。事前に地図でどこに位置するのか確認しておく必要があります。
▲「鶴舞う形の群馬県」鶴の右翼とおしりの付け根あたりがスウィートグラス(★のあたり)
>>>tenki.jp https://tenki.jp/
ウェザーニュースやGPVの補助的に使用。控えめな印象なので、天気.jpでも荒れる予報の時は気が引き締まります。
テレビの天気予報もよく見て
スマホのアプリやネットで簡単に天気を知れる時代ですが、やっぱりテレビの天気予報って大切。「現地だけでなく移動経路の天気は大丈夫?」や「(荒れる予報の時)どのくらい緊張感を持ったらいいの?」がわかりやすいです。
特に台風や積雪が予想されるときはしっかりニュースで情報収集をしてほしい。
日の出・日没
秋~冬は、日が沈むと一気に冷え込みます。そして、キャンプの1泊目って意外と忙しい。日没時間を把握して時間に余裕を持ってチェックインしてくださいね。
関東圏内であればそれほど大きな差は出ません。googleでは「地名 日没」で検索すれば今日の日没時間が出ますし、スマホの天気予報アプリでも直近の日の出・日の入り時間が出るものが多いです。
数日、数ヶ月先の日の出・日の入り時間を知りたい人はこちらがおすすめです。国立天文台:こよみの計算
ライブカメラ
周辺道路や現地のライブカメラ映像があれば、現地の状況をイメージしやすくなります。キャンプ場のwebサイトにリンクがないか、なければ通行ルートの道路名や市区町村名で検索(例:「国道146 ライブカメラ」で検索)すると出てくるかも知れません。
スウィートグラス周辺のライブカメラはこちら
-
軽井沢方面から国道146号を登りきった峰の茶屋付近
>>>国道146号:峰の茶屋ライブカメラ
- 軽井沢の町周辺>>>軽井沢町
- 吾妻管内の道路
- 渋川伊香保インターから降りて長野原町へ向かう国道145号バイパス
- 軽井沢方面から国道146号「峰の茶屋」付近
- 上田方面から国道144号「鳥居峠」
- 高崎方面から長野原倉渕線「二度上げ峠」
- キャンプ場から一番近い北軽井沢交差点>>>北軽井沢交差点ライブカメラ
▼ ライブカメラではありませんが、キャンプ場の様子を冬期は(ほぼ)毎朝更新しています!!
傾向と対策
季節別の天気の傾向
スウィートグラスが位置する北軽井沢の気候の特徴
標高が高いため気温が低い
避暑地として有名な軽井沢より寒いです。
夏は、晴れると30℃を越える日がありますがじめじめした暑さはなくからっとした暑さ。冬は-20℃近くまで下がります。11月下旬~4月上旬まで一度に15cmを超える降雪のおそれがあります。
冬が長く、四季がはっきりしている
10月下旬には氷点下、11月に初雪、桜が咲くのは4月末ごろ…。1年の約半分が冬のため、春・夏・秋が早足で駆け抜けます。冬の積雪はそれほど多くなく、おおむね50cmほど(ここ数年はもっと少ない傾向)。
雨
6月梅雨・7月ゲリラ豪雨・9月秋雨
雨の日は、雨の日にしか見られない景色が見られるもの。事前準備と心構えをしてしまえば雨の日だってキャンプを楽しめます。
強風
3~5月:春の嵐、11~2月:木枯らし
スウィートグラスではテントが吹き飛ぶほどの強風(10m/s)が吹くことはまれです。ゴールデンウィーク頃に浅間からの吹き下ろしでタープのポールが折れる被害があったり、冬は強風により体感温度がぐんと下がったりします。
強風時は、タープをたたむ、焚き火を控える、帽子・手袋・ネックウォーマーをつける(1m/sで体感1℃下がるので素肌を出さない)など対策を。
夏もゲリラ豪雨前に突風が吹いたり、予期しない強風はいつだってあり得ます。予報に関係なく「テントの張り綱は全て張る」は習慣にしてくださいね。
雷
7・8月:夕立、ゲリラ豪雨
スウィートグラスが位置する群馬県は「雷と空風、義理人情」と言われるほど昔から雷が多い地域。
ここ数年で夕立にくわえ、突然のゲリラ豪雨が増えました。空が暗くなり、冷たい風が吹いて遠くでゴロゴロ聞こえたら、豪雨&雷がやってくる合図。
雷の音が近いときは、テントではなく建物の中、車の中へ避難してください。
参考:日本キャンプ協会「キャンプでの雷対策」より
台風
7~10月
台風が接近しているときは、
- 最新の天気予報を小まめにチェック(複数サイト見比べる)
- テレビやラジオでどれくらいの規模感か情報収集
- 移動経路は問題ないか(キャンプ場が晴れてても道中前が見えないくらい土砂降りなこともある)
- 無理しない
- 充分に備える(停電・断水)
無理をしないのが一番大事!!!
▼ 悪天候時の注意点まとめ
雪・霜・凍結
最低気温が5℃を下回ると霜が降り、天気が崩れればみぞれや雪になるおそれがあります。
キャンプ以前に注意しなければならないのは、車の運転!!
「晴れ=あたたかい」は間違い!夜に晴れると放射冷却で日の出頃、最も冷え込みます(スウィートグラス周辺では、10月中旬頃から霜が降りる日が出てくる)。晴れた日の朝は霜が降り、路面凍結のおそれが高いです。秋キャンプでも標高の高い場所へ向かう人は、スタッドレスタイヤに履き替えるか、気温が上がる日中に車を運転するよう計画してくださいね。
また、北軽井沢では11月20日~4月15日ごろまでは、積もるほどの降雪のおそれがあります。ノーマルタイヤの人はチェーンを必ず積んで来てください。
まとめ:キャンプに行くなら天気予報を見て装備を調えよう
自然はときに厳しい表情を見せます。アウトドアは楽しいだけじゃない、リスク管理もキャンプのうち。
手がちぎれるほど寒い日は、ダイアモンドダストがきらきら輝いたり、
雨上がりの虹がきれいだったり、
寒くて長い冬を越えたら、きらめく新緑が待っていたり。
ぴりっとした緊張感の先に、えもいわれぬ景色が待っています。
しっかり準備をして、自然を楽しみに来てくださいね。
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