【レポート】きたもっく24hツアー vol.1

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2021年3月12日、きたもっくの事業・取り組みの最前線を体感できる、1泊2日の24hツアーを開催しました。今回の目的は、循環する山と焚き火を切り口に、百年の時間軸と確かな明日を見出すこと。きたもっくの事業展開、自然とつながる暮らし方、山や森との関わりに関心のある7名の方が参加してくれました。

【 循環ポイント 】

① 自然:広葉樹の萌芽更新をはじめ、山の大らかなサイクルを発見する。

② 加工:山から伐り出された木が薪となる。薪火で炊いたかまど米を食べる。

③ 仕組み:自然のサイクルに則った、持続可能な資源活用。

④ チーム:途切れることなく、ゆるりと巡るコミュニティ。

 

【 プログラム 】
3/12(1日目)

TAKIVIVAでの自己紹介の後、身支度を済ませて、さっそく1つ目の事業地へ!

価値化に向けて動き出した、身近な山「二度上山」です。

2班に分かれてバギーに乗車。

山中にある養蜂の圃場や、伐採後の植生の切り替わりを見学。途中、気になる木を選んでもらい、触れたまま1分間過ごしました。

感覚を研ぎ澄ませて触れていると、木が柔らかく感じるという発見も!

広葉樹林が持つ可能性や、百年の時間軸で考える森林計画。埋もれがちな地域資源に光を当て新たな価値を見出すこと、持続的な資源の活用を仕組み化することなどをお話ししました。

 

続いて貯木場、薪の製造現場へ。1次産業の生産現場から、2次産業の加工現場に場面が変わります。

百年の森林計画に沿って木を伐り、枝を払い(枝は家具やカトラリーに活用「広葉樹活用プロジェクト」)、貯木場まで運びます。原木は、建材にするもの(SweetGrassの新コテージに使ったり)と、薪にするものに分けられます。薪はキャンプ場や石窯焼きのピザやパンのお店、薪ストーブユーザーの元へ。理想的な消費先を想定し、必要な分を生産することで、地域資源の循環をつくります。

バギーといい大型薪割り機といい、働く機械には熱い視線が集まる。

鋭意建設中のあさまのぶんぶんファクトリーは、まだ工事中のため車窓からご紹介。初日の見学をすべて終え、TAKIVIVAに戻りました。

 

お楽しみの夕ご飯は、参加者のみなさんにも、釜炊きご飯に挑戦してもらいました。

「ふいご」の説明。今ではとんと見かけなくなった火起こしの道具。
習いたての「ふいご」で火を強くする。

「山を丸ごと味わう」が今回のコンセプト。地元で採れた生はちみつ百蜜」と地元農家が作る味噌を合わせた蜂蜜味噌、湧き水を使い羽釜で炊いたご飯が主役です。

日が沈んで気温もぐっと下がり、火が恋しくなる時間帯。夕食後は焚き火トークの時間です。

あらかじめ用意しておいたトークテーマに沿ったり、脱線を楽しんだりしつつ、ゲストひとりひとりから話を聞きました。きたもっくの取り組みの枠を超えて、地域コミュニティのあり方まで話は尽きません(5月に開催予定の「きたかる(仮)暮らしの会」につながる話で、スタッフも興味津々でした!)。

焚火台ごとに用意された樹種が異なる。白樺は火力が強く明るい。
暖をとる。火を見つめる。背面の寒さを味わう。
焚き火ですっかり心ほぐれたあと、未来のための発表タイム。

 

【巡った場所の紹介】

TAKIVIVA:焚火に集う宿泊型ミーティング施設。今回のツアー発着の拠点。

二度上山:針広交雑する山で野生動物も生息。疎遠だった身近な山との関係を取り戻すべく、様々な角度から光を当てる。

貯木場:伐り出した木を運び、保管しておく場所。すごい量!感嘆の声上がる。

あさまの薪:貯木場に保管された原木を薪にする。大型薪割り機が圧巻!

あさまのぶんぶんファクトリー:薪ボイラー、加工場、除草スタッフヤギの小屋などを備えた、あさまのぶんぶん活動拠点。

 

3/13(2日目)

冷たい雨が降る中、2日目はキャンプ場「SweetGrass」からスタート。
キャンプ場全体の取り組み、山とのつながりを感じさせる薪の使われ方、宿泊施設などをご案内しました。

キャンプ場のヒストリーを伝えるレイアウト、看板も自社製。「作成中」のPOPがリアル。

キャンプ場というフィールドのニーズに合わせて、山の木を伐り加工して作られた新しい宿泊施設もご紹介。

建設中の宿泊施設をご紹介。ゴールデンウィークに間に合わせるため、慎重かつ急いで工事中。

 

雨が少しずつ白くなり…ついに雪になりました。SweetGrassから、ルオムの森へ移動。
築百年の洋館では薪ストーブが焚かれています。薪はもちろん、あさまの薪が作った薪です。

山から伐り出した木は選りすぐって建材にします。

『あさまのぶんぶん展』の展示内容に沿って、きたもっくの仕事をご説明しました。建築やサービスで表現する「身近な山とのおつきあい」。どう見せるか(魅せるか)を自社でデザインすることは、きたもっく表現の大切な要素です。

 

地場産の蜂蜜をご堪能いただいて、ふたたびTAKIVIVAへ。
参加者のみなさんと、振り返りをしてツアーを締めくくりました

 

TAKIVIVAでは企業研修やイベントの時に、焚き火を中心に輪になって囲む(上座も下座もない)ことでフラットに話せる「焚き火の力(焚き火マジック?!)」を日々実感します。
今回、あっと気がついたのは、体験ツアー(バギーに乗ったり、山を歩いたりして同じ時間を過ごす)をすることで見ず知らずの人が知り合いとなり、その知り合いと焚き火を囲み共感しあうことで仲間になれるんだということ。
だから驚くほど対等の関係で悩みを打ち明けたり、やってみたいことを話し合ったりできた。そんなことを少し時間が経ってからじわじわと実感しました。
体験ツアーと焚き火という組み合わせは、コーヒーとチョコレートくらい(?)相性が良いのかもしれません。

参加者もスタッフも楽しみながら学びを得られた、そんな24時間ツアーになったと感じています。
今後も色々と企画していきますのでお楽しみに!

 

【巡った場所の紹介】

Sweetgrass:年間9万人が訪れるキャンプ場。山の木を活かしたコテージに泊まる、薪を使うことで山とつながる。地域資源を活用した6次産業化が体感できる場。

ルオムの森:8,000坪の森と、築百年の洋館。洋館は、蜂蜜ショップ、火のある暮らしのショールーム、本屋、ギャラリーであると同時に、きたもっくのメディアセンターも兼ねる。