ガラスの養蜂箱が魅せる世界
ルオムの森には、小さな養蜂場「ハニーランド」がある。
自社で製造する「百∞蜜(ももみつ)」や、やミツバチをとりまく自然環境について知ってもらうため、養蜂イベントなども開催している。
花の最盛期には、巣箱を何度も出入りする様を間近に見学できる
今年6月には、写真家・現代アーティストの平澤賢治によるアート活動として、特注のガラス製養蜂箱を設置した。
作家自身がハチを育て、ブラックボックスである巣箱を可視化する試みだ。
平澤氏は人や馬をサーモグラフィーカメラで撮影し、目に見えない温度を可視化することで、心や魂という非物質的な存在を表現してきた。
ルオムでも、木立ちに佇むように作品を展示している。
ガラスの養蜂箱によって、緻密に構成された自然のシステムを感じとることができるのか。
森から蜂蜜ができる過程も記録し、どんな味わいになるのかも確かめたい。
標高100mから1,200mまで旅するきたもっくの養蜂は、ミツバチによって地域の自然を循環させ、それぞれの風土の味を採取する取り組みだ。
木の年輪が長い年月の自然条件を記録するように、非加熱無添加の純粋蜂蜜にも、その土地のその季節の自然環境が反映される。
花粉媒介者であるミツバチは、自然と人をつなぐ媒介者でもあるのだ。
ガラスの養蜂箱によって、彼女たちのことをもっと身近に知ることができるだろう。